マヤ 天の心、地の心のレビュー・感想・評価
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米資本主義が南米を植民地化している実態
グアテマラのマヤ文明の末裔の先住民が直面する問題を扱った、2012年のドキュメンタリーです。
金の採掘のため、森林と山を根こそぎ破壊する米・カナダの大企業と、土地を売り飛ばす政府。その破壊っぷりはすさまじいものでした。シアン化合物で汚染された井戸水、政府や企業から脅迫される住民。スペインの次は、内戦により政府から迫害され、そして次は企業から土地を奪われる。
ただ普通の生活をしたいだけなのにという願いは空しい。
彼らはそれでも「地球を、大地をこれ以上傷つけないで欲しい」と語っていました。
自分たちを、じゃない。
本来なら「私たち先住民を傷つけないで」という台詞が真っ先に出てくるはず。
そうではなく、「私たちは大地を地球から借りてるだけ」だと、しきりに大地と自然と人間とのつながりを訴えており、そこに強く揺さぶられました。
若きシャーマンは「長生きはしたくない。でも人類の未来が心配」と語り、自分たちの誇りと大地を守るために立ち上がった人たちは、「マヤの人たちは時の円の流れに自分たちはいる」と考え、今生きている人間だけが自然や富を蹂躙するべきではないと考えていました。
モンサントの遺伝子組み替えトウモロコシが市場を席巻する中、売れずに儲けにならない原種に近いトウモロコシを必死で栽培している姿にも心打たれました。マヤの「木の人、トウモロコシの人」という神話が興味深かったです。
私はなんの力にもなれないけれど、でもそういった企業に金を落とさないという選択肢を選ぶことはできる。一つの商品の背景を、今後も注意深く観察していこうと思いました。10年経った今のグアテマラが心配でなりません。
上映後の主催者さんとの交流も興味深く、勉強になることばかりでした。
ちなみに料理付きを選んだら主催者さん手作りのトルティーヤ弁当が供されとても美味でした。
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