「三船・用心棒の様に、ぼろぼろになっても不死鳥のように息を吹き返し、 かって知ったる拳銃の腕前が蘇える。さあ、おたちあい。」許されざる者 ezuさんの映画レビュー(感想・評価)
三船・用心棒の様に、ぼろぼろになっても不死鳥のように息を吹き返し、 かって知ったる拳銃の腕前が蘇える。さあ、おたちあい。
『今度という今度は許せねー』
かっては泣く子も黙る殺し屋だったウイル・マニーは
二人の幼子を養う苦しい生活の中、
レディーを切り刻んだ男を殺る賞金稼ぎに踏み切るが、
不覚にも悪保安官につかまり
再起不能なほどいたぶられる。
1880年。赤々と空を染めるワイオミングの夕焼け。
11年前までは鉄道を爆破し、
女子供を殺すなんて朝飯前のだった悪ガキ・マニーは
クローディア・マニーと知り合って
ウイスキーと悪とは縁を切った田舎暮しをしていた。
3年前に最愛の妻に先立たれ、病気の豚を飼う生活は楽ではない。
銃も使えず馬にも乗れなくなってしまった初老のダメ男が、
子供のために金がほしいと賞金稼ぎに手を出したあげく、
僚友ネッドが悪徳保安官に陰湿なリンチで殺された上
道路にさらし者にされて怒りが爆発する。
絶っていたウイスキーを浴び、スコフィールド握って悪に立ち向った。
三船・用心棒の様に、ぼろぼろになっても不死鳥のように息を吹き返し、
かって知ったる拳銃の腕前が蘇える。さあ、おたちあい。
思いを遂げならず者の街を脱出する時の台詞がいい。
『撃つなら撃ってみろ。お前らの家族や子孫も、皆殺しにしてやるからな』
家で待つ子供のことを心配しながら、
一方で、どうなってもいいと投げやりになった殺し屋の顔が覗いて
悲しくて切ない西部劇だった。
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