劇場公開日 2013年1月26日

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「ヒトが音楽する理由」さよならドビュッシー 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ヒトが音楽する理由

2020年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

誰にも言えない秘密を抱えた、孤独で寄る辺ない
憂いを帯びた美少女役に橋本愛さんが見事にはまっていましたし、
それを支える音楽講師役の現役ピアニストである
清塚信也さんもとっても魅力的でした。
好ましいカメラワークや編集、画づくりでもってして
主演おふたりで充分映像映えしますが、
映画としてはストーリーが弱いかもしれません…

でもそれは、
原作がミステリー賞に選出された作品ではありますが
この映画はミステリー作品とは意図して
違うテイストにしたのしょう。
むしろ謎解き部分は潔いほどあっさりしていて
主人公が葛藤しながらも
約束を果たすために挑む姿を、
より注力して描いた作品に仕上げた印象です。
なにより、音楽を借りたヒトの想いをカタチにした
映画だとわたしは思いました。

わたしは音楽を扱った映画が好きで、
とりわけ〈ピアノ〉が題材な作品が大好物!
でも単に、清塚さん目当てなミーハー気分で
この映画を観ました。

印象的な場面といたしまして…

清塚さんがリストの「マゼッパ」を弾くシーン!
ぐるりと回るカメラワークでもって
鬼気迫るような演奏で魅せてくれました!

そしてやっぱりラストシーン!
橋本さんがドビュッシーの「月の光」を弾く場面!
もう指が動かないから、立って…
体重を指に伝えてでも弾ききる姿に
胸を打たれました!
ここでも、回るカメラワークで
主人公の心情を現すのに
効果的な役割りをしていました!

野々原 ポコタ