ロスト・イン・北京のレビュー・感想・評価
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赤いリンゴの中身は白い
ドキュメンタリー出身の監督らしく、手持ちカメラのブレが生々しい。
現代中国の風俗や拝金思想を活写している。と言いたいところだが、この映画で浮かび上がってくるのは、嫉妬や孤独という感情から自由になることの出来ない、時代や地域にかかわらず、いつの世の中にも存在する男と女の姿である。
そこには、大金と引き換えの孤独を受け入れることの出来ない若い男。経済的な成功とは裏腹に女性征服に失敗ばかりしている中年男。その失敗の先鞭をつけたのが自分自身であることに気づかずに、夫への猜疑心の塊となっている妻が登場する。
赤ん坊の父親が誰かという問題によって、皮肉にもこの三人は自分たちが赤ん坊の人生の部外者であることに気付き始めるのだ。その諦めや焦燥が切ない。
主人公の若い女性の名前が「苹果」即ち「林檎」であるのは何か意味があるのだろうか。
と、ここまで書いておいて、非公開のままに10か月が過ぎてしまった。
その間、主演女優のファン・ビンビンの脱税のニュースが世界的なニュースとなった。しばらくは話題の主である中国No.1美人女優と、この作品の主演女優とが結びつかなかった。
それほどに、この作品のファン・ビンビンは田舎出の娘を体現していて、トップクラスの政治家とのスキャンダルまで飛び出るような強者には見えなかったのだ。
映画の中での彼女の名前は林檎の意。赤くて可愛い果実も、一皮剥けば、白く酸っぱい果肉で出来ている。白は京劇では敵役の色。赤は結婚式の色。白は葬式の色。
この女、見た目は可愛いけれど、案外強かな中身をしている。
いや、ファン・ビンビンではなくて、映画の中の苹果のこと。
ファンビンビンの濡れ場
ばっちりお化粧したビンビンしか知らなかったので、こういう素顔っぽいのは新鮮でした。劇中で着ているジャージといい、北京の低所得者が住むような街にも違和感なかったです。
でも、やっぱり色っぽいビンビン・・・あらすじを見て、「あのファンビンビンの濡れ場、観たい」と思って借りたんですが結構リアルで期待通りでした。あ~綺麗だなぁ。長い足、白い透き通る肌にはえる黒髪、良い。
ストーリーは単純で、でも複雑な気持ちになった。ビンビン好きなら観て後悔はしないと思います。
ビンビンは顔だけで売っているんじゃない、というのが分かったような映画です。
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