31年目の夫婦げんかのレビュー・感想・評価
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【結婚して何十年経っても相手の気持ちを察し、少し恥ずかしいけれど相手を想い行動する事の大切さを描いた、可なり笑えて、心に沁みる夫婦映画の逸品です。】
■夫アーノルド(トミー・リー・ジョーンズ)の性的無関心に悩むケイ(メリル・ストリープ)は、カウンセリングで夫婦仲を取り戻すべく、夫を引き連れバーナード医師(スティーヴ・カレル)の元へ向かう。
そこで課された課題は、
1.一晩抱き合って寝ること
2.映画館で、○○すること
など、結婚31年目を迎えた二人にとって、過酷(あー、可笑しい。)ともいえる試練が次々と待ち受ける。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ケイを演じるメリル・ストリープの”何時までも、夫に愛されたい!”と言う想いが取った行動と可愛らしい演技に脱帽である。
・トミー・リー・ジョーンズ演じる、夫アーノルドも、決してケイに関心が無くなった訳ではなく、心の底では彼女を深く愛している事が、その行動から分かるのである。
ー 何だかんだ言いながら、結局ケイのお願いを叶えて上げる姿。-
・凄く可笑しかったのは、カップルカウンセラー、バーニーを演じたスティーヴ・カレルが、足を組みながら、二人のSEXに対して真面目な顔で”そこまで聞くんかい!”と言う所まで聞く姿と、二人に対し与えた課題である。
1.一晩抱き合って寝ること
2.映画館で、○○すること
”1.は良いけど、2.は駄目だろう!”
だが、ケイはアーノルドに対して、初めての行為だったため、上手く行かなくって・・。
ー 申し訳ないが、大笑いである。そもそも実行しちゃうところが凄い!。けれど、ケイの上手く出来なかった涙は沁みたなあ・・。アーノルドも優しく慰めるしね。-
・だが、徐々にアーノルドはケイが長年願っていた事を実現させるべく、頑張るのである。
ー 高級レストランの予約取りとかね。あの渋い顔でキャンセル待ちされたら、店の人は席を取るよな。-
<今作は、個人的に可なり気に入った作品である。
そして、私は【お願いして、お願いして、漸く結婚してくれた(涙。とても大変だったんだよ!)】私には過ぎた家人に対して、今現在、ケイのような思いを持たせていないよな・・、と可なり反省しながら鑑賞した作品でもある。
夫婦のスキンシップとは、結婚して何十年経っても大切なんだなあ・・。>
■今作は、エンドロールで流れるケイとアーノルドと子供達の家族とバーナード医師の幸せそうな姿もとても心地よき作品であります。
熟年離婚のはじまり。
長年夫婦でいると子供達が成長し二人きりの時間ができても当たり前の様な日常に何の違和感を感じないまま生活を送る。
夫は妻が何でも分かっていてくれると甘い気持ちでいると自分を優先して妻の気持ちに気づかなかったりする。熟年離婚のはじまり。
何故。カウンセリングを受けるのか夫には分からない。妻の悲しみも。カウンセリングを受けながら離婚の危機を感じて気づいた。彼女を初めて会ったときのトキメキや好きだったことを思い出して…彼女の大切さを知った。
二度目の結婚式を挙げる事が出来てよかった。もしカウンセリングを受けてなかったら離婚だった。かも この先も一緒に生きていくためにはお互い思いやる気持ちが必要なのかも知れません。亭主関白の人は要注意です。女性はいつまでも愛されたいのです。
地味な内容を演技でしっかりと作り上げた
総合:70点 ( ストーリー:75点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
舞台劇でもないのに、殆どの内容を実力派の2人の演技に頼る稀有な作品でした。
何とか現状を変えたい妻と、妻の気持ちを理解できず現状の変更への意識の薄い夫の間には、すっかり倦怠期の2人には齟齬が固着して、かつては当たり前にしていたちょっとしたことすら再びすることが困難になっていた。だからちょっとしたことでぎくしゃくし傷つき、上手くいきそうになってもやっぱりそうはならない2人の関係に興味は失せなかった。名優2人はもうすっかり歳を重ねて外面の魅力は薄れているにもかかわらず、やはり演技力で魅せてくれた。
だけどもし自分がずっと若ければ、老いらくの2人のことにはあまり興味を持てなかったかもしれない。内容としてはちょっと地味なのは否定できない。
最初は心理療法で2人の関係を解きほぐし困難を乗り越え問題を解決しながら上手くいく流れかと思ったが、そう単純ではなかった。心理療法で問題を発見、解決法を実践して目出度く円満、なんてものじゃないのが2人の現実なのが捻りが効いていて良かった。
こんな赤裸々に私生活を聞かれるのは困ったものだし、心理療法の後で起きることがまた気恥ずかしい。それなのに心理療法士の存在感は相当に控えめで、治療の合間の2人の行動にこそ見どころがあった。
「全部吐き出したら、愛だけが残った。」
素敵なキャッチコピーですね(^-^) 好きな映画です! トミー・リー・ジョーンズが「浮気はしてない、ポルノは観たが・・・」みたいな台詞を言ってるのが新鮮でした(笑) 他の映画では性的な話は余りしてるイメージがありませんし(^-^) またラブラブになれてよかった♪ ・
倦怠期
昨今では妻から言いだす熟年離婚も増えているらしい、積年の不満が爆発するのだろう。
社会性の強い文化圏では一夫一婦制で生涯添い遂げるのが美徳とされるが夫婦の見本とされるおしどりも実は毎年メスは異なっていると聞いて驚いたことがある。
人間は本能だけで暮らしているわけではないので心の寄与がある分男女関係も複雑になる、離婚理由のトップは性格の不一致と言われるが公言がはばかられるので余り表には出てこないが性的な不満も少なからずあるのだろう、そういう意味では本作はデリケートでプライベートな夫婦間の問題に真正面から踏み込んだ稀有な映画、見ている方も他人の夫婦生活を覗き見しているような気まずい思いを強いられ、見続けるかどうか正直当惑した。
メリル・ストリープは数々の女性を演じてきた名女優だからどんな役でもこなせるのは理解できるがいまや存在感が強すぎるので役柄が微妙に思えた。トミー・リー・ジョーンズもハーバード出のインテリで親日家、CMでもおなじみで無愛想なところとコミカルさのギャップが面白い名優ですが金に細かい会計士役、取り付く島もないような不機嫌さが際立って愛嬌の面では活かしきれていなかった気もします。そういった意味では映画脚本家デビューのバネッサ・テイラーのセリフの練りの甘さかも知れません。スキンシップも大切でしょうが大事なのは思いやりと理解しました。
ハッピーエンド
熟年夫婦の奥様がお盛んになるが
旦那がそうしてくれない話です。
基本性についてのことがつまっておりますが
歳をとってそういうことで悩んでる夫婦も
世の中にはきっといるのだろうと
あり得る出来事なんだろうなと思い見てました。
どストレートなカウンセラーに戸惑いながらも
お互いがお互いを求め合うようになり
奥様の笑顔も増えて、最後はハッピーエンドで
素敵なお話でした。
ですが映画館でフェラは極端すぎて。笑
後奥様の吹き替えの声が好みでなく
すごく耳障りなクセ強くて気にかかりました。
1回見ればいいかな?って映画でした。
初心を忘れずに
妻として最高なメリル・ストリープ。
そして浮気もしないが、遊びもしない堅物のトミーリー・ジョーンズ。
メリル・ストリープはただ彼の愛が欲しかった。
でも元々堅物で、さらに臆病になってしまったトミーリー・ジョーンズはそれに応えられなくなってしまっていた。
その2人の’鼻の邪魔な軟骨’を取り除く手助けをするカウンセラー。
ふたりはお互いが嫌いでも、避けたいわけではない。
ただ、愛を確かめ合わなくなった年月が長すぎてしまっただけ。
初心を思い出し…
良い時の思い出も沢山思い出し。
またふたりの間に甘酸っぱい気持ちを芽生えさせた。
将来自分が行き詰まった時には、ぜひ観てみたい。
そして、付き合い当時から作成している思い出アルバムはすぐ手の届く所に置いておきたいと思った。
喧嘩のあとで口づけを
わたしたち夫婦も、現在32年目。
仲はいいほうだがたまにわたしが爆発する。、、こういうことは、たいてい妻が爆発するのだ。(笑)
で、興味津々で見た。引き込まれた。
妻の気持ちはわかりすぎるほど。
夫は、やはり愛想なく、味気なく、、
しかしアメリカは何よりセックスが大事なんだなぁ、、
日本は「心」が通じていればOKなんだけど。
とにかく、すったもんだの末のハッピーエンド、よかったなぁ。
熟年の恋愛をえがいた映画はほかにも見たが、(恋愛適齢期)こちらがリアルな感じがした。
熟年の夫婦にとくに薦めたい映画。
「ある、ある」だらけだ。
そして、メリルの美しさにあらためて、拍手を送りたい。
Breaking of the Nose
つまらない映画かなぁと思ったら、さすがの名演技で一気に引き込まれました。この2人が夫婦役だからこそ観れる作品かと。
結婚セラピストをSteve Carellが演じるというだけで、見るからにきな臭いのですが、意外とマトモな?抑えた演技で、淡々と過激な質問を浴びせていました(^。^)。
子供達が巣立ち、また2人っきりになった初老夫婦のKayとArnold。寝室はこの5年余り別。家庭内別居とまでいかないけれど、少しずつ噛み合わなくなった歯車。最初は、ケチで短気なArnoldに問題があるかのように映るのですが、妻に向き合おうとしない夫に見えて、実は妻を傷付けないよう、「そういう」状況を避けていた良い旦那さんに思えました。
最後が素敵で、羨ましいくらい幸せなご夫婦です。
セラピー替わりに一緒に鑑賞出来たら、まだ回復の余地はあるかも?
求めるより思いやってみることが大事
相手のことが好きだから自分の気持ちを言わないのか?30年も連れ添ったら相手のことが充分すぎるほどわかってるのではないかと思うが、この夫婦はそうでもないらしい。
関心がないわけでも嫌いでもないのに、求められないだけに寂しさがあるのはわかる。だから素直に聞けばいいのにプライドがあるから許さないのか?
愛されているという思いは勘違いでも必要だと思う。
最後の結婚式がとても素敵で、私もやりたいと思った。
カウンセリングの結果は…
結婚31年目、倦怠期の熟年夫婦がカウンセリングを受ける。風変わりなカウンセラーの下、普段言えなかった事を吐露し…。
シリアスものだったら、見ていても後味悪い気の重くなるような題材。
それをコメディ仕立てにしたのが面白い。
さらに、夫婦をメリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズに演じさせたのが面白い。
冒頭はこの夫婦の普段通りであろう光景。
妻は構ってほしい。
夫はそんな事全く気付かず。
こんな熟年夫婦たくさん居るんだろうなぁ…両ベテランの妙演もあってそう感じずにはいられなかった。
妻の独断でカウンセラー開始。
気まずい事聞かれるわ、話さなくてはいけないわ…。
セックスは最後いつしたかはまだいいとして、オーガズムに達したかとか、どんな体位とか。
夫アーノルドじゃないけど、そりゃ呆れるわ。
しかも、課題まで。
抱き合って寝てみるとか、映画館で…おっと、これ以上は言えない。
タイプキャストなコメディアンがやりそうなものを、よくこの二人にやらせたもんだ。
コメディアンにやらせたって普通。この二人がやるから面白い。
でも、さすがにこの二人のラブシーンは勘弁…。
何とも言えないのが面白い所でもあるけど。
メリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズの土壇場…に非ず、スティーヴ・カレルの存在感も光る。
コメディアン故大袈裟演技の風変わりカウンセラーかと思いきや、意外や抑えた演技でこの熟年夫婦に鋭くメスを入れる。
このカウンセリング、見ていてそんなにトンデモには感じなかった。
時たま「えっ!?」と思うような課題も出すが、何ごとも実践、赤裸々荒療治。
コメディ・ドラマなのでオチは大体予想出来る。
それも踏まえてだけど、この夫婦には特に問題ナシ。
そう思わせたのは序盤のあるシーン。
カウンセリングを受ける事に夫は反対、妻は一人で受けに飛行機に乗り込むと、夫もやってくる。
仕方なく、もしくは嫌々だったかもしれないが、ちゃんと付き合ってくれる。
いい夫婦じゃないか。
Hope Springs
アメリカってセラピー社会なんやなって思わされた映画。日本じゃこんなんないやろうな〜(笑)セラピストの質問、あれは答えにくいよ〜(笑)老夫婦だから、見たくない〜って思うような、なんかこっちが気恥ずかしいようなところもチラホラ、、、でもそっか、こんな問題も起こり得るよねって思ったな〜
ケイの、'彼は私のすべて。だけど心の通わない人と同居するくらいなら1人の方がさみしくないんじゃないかって。愛する人に触るのは簡単だと思うでしょうけど、難しいの。'ってセリフがぐさり。
最後は、もう一度結婚式をして、32年目からの誓いを立てるところが素敵。
別れたくなければ…
熟年夫婦のセックスレス解消奮闘記。
と言ってしまうと身も蓋もない。
日本人にとっては、結婚カウンセラーという職業の存在も馴染みがないだろうし、
メリル・ストリープ演じるケイの行動も理解し難いものかもしれない。
しかし、その根底にあるのは、
長年の結婚生活の中で少しづつすれ違ってしまった夫婦の物語であり、これは普遍的な物語である。
夫のケガ(+イビキ)がきっかけで別の寝室で寝るようになりセックスレスにもなってしまったのは、あくまで表面化した問題であり
、その根底にあるのは、お互い口に出さずにきた小さな不満の集積なのだ。
夫は妻の小さな拒絶に傷付き、妻はクリスマスや記念日の祝い方が気に入らない。
これくらいの不満はどこの夫婦も同じ。
しかし、この夫婦の間に愛情が失われた訳ではない。
別れたくはないから、妻はカウンセリングを申し込み、夫も渋々とはいえついて行ったのだ。
別れたくない、これからも一緒にいたいのなら、お互いが何を不満に思い、何が嬉しいのか、無関心になったら、関係は行き詰まる。
カウンセラー役のスティーヴ・カレルは大人しめだが、メリル・ストリープ、トミー・リー・ジョーンズの名優二人へのリスペクトからあくまでも脇に徹した印象。
苦虫を噛み潰したようなトミー・リー・ジョーンズのオロオロぶりが可愛い!
※二人が映画館で観る映画はスティーヴ・カレル主演でリメイクされたフランス映画『奇人たちの晩餐会』だと思う。
互いのニーズを伝えることで、親密になりたい。
映画「31年目の夫婦げんか」(デビッド・フランケル監督)から。
鑑賞した私たち一般人の立場からすれば、
そんなに問題があるような夫婦でもないのに・・
メリル・ストリープ扮する主人公の妻は31年目の不満を、
カウンセラーに向けて、こう言い切った。
「私は、結婚したいんです、もう一度」。「もう一度?、
立派に結婚してるだろう?」とトミー・リー・ジョーンズ扮する夫。
さらに妻は、カウンセラーに告白する。
「昔は、よく触ったんです。(触ってきたんです?)
(今は)まるで、2人の労働者が一緒に暮らしているみたい。
2段ベッドに寝ているような・・。
家があるだけで、ほかに何の絆もないみたい」と。
そこで「結婚とは何か?」という疑問が残るが、
カウンセラーは、彼女の望む「夫婦関係」をこう表現した。
「互いのニーズを伝えることで、親密になりたい。
そうあり続ける手段を構築したいんですね?」
なるほど・・そういうことって、わかった気がした。
セックスだけでなく、相手のニーズを伝えることが、
夫婦にとって親密になる手段なんだな、きっと。
32年目で復活なるか。
どうでもいいことけど、館内は超満席^^;
もちろん観客層は中高年から老年カップルばっかり!
タイトルといい、キャストといい、ハズレなし♪と思って
これは面白いぞ!といそいそ出かけて面喰った老夫婦が
さぞかし多かっただろうと思ってしまう、ソフトな邦題。
今作を観て、うわ恥ずかしい!とか、気持ち悪い!と思った
うら若き人々(心が)は、つまり自分の両親が「夫婦の営み」を
見せてくれちゃったような感覚に囚われるからだと思うのだ^^;
私だって見たくなどないし(爆)想像ですらもちろんご勘弁(汗)、
でもその行為あってこそ生まれたのが自分ですからねぇ。
否定してどうする!という、閉鎖的な日本人の性への関心を
まさかのご老体相手にここまで描いて見せちゃったのが本作。
今や草食男子?ですか。そういう習性が持て囃されてますが、
本当にそういう系統が全盛になったら人間は早々に滅びます。
異性に興味がない、まして触れたいとも思わない、なんて
今作の宇宙人(違いますけど)ジョーンズ氏とさして変わらない。
でも彼は、若い頃はそういうワケじゃなかった。
年月を経て、妻との関係が老朽化し(これが問題)、ついには
妻の強制でカウンセリングを受けることになってしまったのだ。
傍目にみれば、実にかわいそうに思えるこの夫婦関係も、
皆さん口にしないだけ、日本もレスは問題になってますからね。
面倒なのか?欲求がないのか?果たしてどっちなんでしょう。
ケイとアーノルドの熟年夫婦は、関係改善を願うケイの頼みで
バーナード医師が行う「カップル集中カウンセリング」へと向かう。
ここで行われるのは(もちろん)
性生活への集中質問に夫婦の嗜好技を絡めた性生活応援治療!
苦笑いなんてもんじゃないくらい赤裸々な回答が求められ、
ただでさえ苦虫を噛んでいる顔のアーノルドはみるみる大激怒!
何でそんなことまで^^;って、私でも思えたけれど、
何しろ寝室は別で5年もお互いに触れていないような夫婦(更に歳)
に対して、ハイ今日から励みましょうね!だけで済むはずがない^^;
必死に愚問に耐える夫婦であるが、ふとしたことからお互いの
嗜好の違いが露わになってくる。(ここなんですね、興味深いのは)
あんなクソ真面目なアーノルドの妄想劇。妻が机下で…ってやつ。
(こんなところで書くことじゃないのは重々分かってますが)
日本人の奥様の、一体何割がこれを普通にやってるんでしょうか。
もちろんケイはしたことないでしょう(ここで両親を浮かべちゃ×)
食料品店で長いもの(バナナとか)に目をやるケイのあの困惑顔!!
そして映画館での…(あぁ書けない)
私、できないわ!やっぱりムリなの!って泣きじゃくるケイを見て、
お前らケイに何てことやらせるんじゃ~!ボケ~!と思いました。
そしてアーノルド。とりあえず(何となく)近づけたんだから…と、
サッサとカウンセリングを終えて自分は帰りたい。これ以上余計な
苦労(というより自分の不甲斐なさ)を背負ってトライなど嫌だね。
そんなアーノルドに医師は一言「あなたの努力はそこまでですか?」
結局のところ…
あの医師は、相手が何を望んでいるのか。相手が喜ぶことをしなさい。
と言いたかったんだと思うのだ。
自分の好きな相手を喜ばせる。恋愛初期なら普通に出来たことなのに、
なんでこの歳になってそんなことを…?と思ってしまうこの年月に、
プライドを擲ってまで相手に尽くそうとしないことが最大の問題点。
身近で解消できない欲求が(そればかりとは言いませんけどね)
公共の車内で他人に向けられることの多さを物語っている気がする。
だから敢えて言っちゃうと、
自分の欲求のみを相手に訴え、相手の欲求を満たしてやれなかった
ケイの方にも、実は問題があったんだよということ。
まぁね、言わないアーノルドにも非があるからどっちもどっちかな。
ジョーンズもストリープも、よくぞここまで!とのめり込みの名演技。
笑いをとれたのは「鼻の骨」だけだったカレル(残念!でも巧いぞ)との
アンサンブルが非常に小気味よく観られる作品。
ちなみにカウンセリング場面のほとんどがアドリブだというのだから
さすがの役者たち!じゃあ、あれはホントに回答に困っていたんだ^^;
(ラブラブで悪いことはないのだから。夫婦円満が未来を救うかもよ)
ストリープとジョーンズのなんと息の合っている演技なのでしょうか。どう見ても本物の夫婦に見えてしまいます。
★★★★★特選
本日『少年H』試写会とかぶり迷いましたが、こっちを選んで正解でした。よく練られた脚本とふたりの名優の共演が、倦怠期を迎えた夫婦の再生するというシンプルなお話しを、絶妙な間合いで演じて見せたのです。それは凄みのある演技とかドタバタではなく、ほどよく抑制されたフランケル監督の演出によって、限りなくごく普通の家庭らしさが再現されていたのでした。さすがは『プラダを着た悪魔』で一世を風靡した監督だけのことはあります。時にユーモラスに、時に激しくぶつかり合い、そして和解していくハートフルな展開でした。
だからきっと同じような倦怠期を迎えたカップルだったら、思わず感情移入してにたりと苦笑いするシーンがどっさりと詰まっています。特にご主人さんは覚悟して見たほうがいい内容ですぞぉぉぉ~!
自分はキチンと妻を愛しているつもりでも、その愛し方がいかに独りよがりであったか!そして愛しているつもりでも、いつの間にか妻を女性扱いせず、単なる家政婦ロボットとして利用しているのに過ぎなくなっていたか!さらに、妻へのキスどころか、体に触れること自体も厭うことになってしまったか!男って、ものさえ上げれば女は喜んでいると思い込みがちなんですね。反省しなければいけません。愛を与えることって、簡単なようで難しいですね(#^.^#)
劇中でも、愛し合って結婚した夫婦が、いがみ合ったわけではないのに、ちょっとしたきっかけから別々の寝室で寝るようになって、それが日常となって行き、セックスレスな関係に陥ってしまう姿が描かれていました。一度セックスレスになってしまうと、夫の方は面倒になり、なかなかきっかけが作れないようなのです。たとえ浮気を一度もしていない真面目なご主人でも。さらには、お互いに夫婦で肌を触れあうことすら、他人の考えるほど易しいものではないのよという劇中の台詞には、そんなものなのかと驚きました。
タイトルは『夫婦げんか』となっていますが、喧嘩の話ではなく、セラピーを受けて再生していく物語なんです。原題の『Hope Springs』がしっくりくる内容でした。
物語は、夜の夫婦生活を久々に頼んだ妻のケイが、夫のアーノルドに軽く退けられて、自分の人生に絶望し、思い余って一週間で4000ドルもする高額なカップル集中カウンセリングを夫に相談しないで申し込んでしまうところから始まります。ケイの悩みも知る由もなく、一方的に夫婦間のトラブルはないと決め込んでいたアーノルドは、妻の独断に怒り、激しく同行を拒絶します。しかし、離婚経験を持つ職場の同僚の忠告により、危機感を感じたアーノルドは、渋々ながら同行することに。
しかし、冒頭から対面したセラピストに向かって詐欺師と呼び捨てにするなど、セラピーの前途は厳しいものでした。
少々アーノルドの弁護をすると、このセラピー、セックスカウセリングがメインだったのです。いきなり赤の他人に、いつからセックスレスになったかなど夫婦生活の内情をあからさまに聞かれると、失礼な奴だと怒り出すのも無理ないことですね。しかもセラピーごとに『課題』が出されて、次回までに実践しなければいけません。もう何年もセックスレスな関係に陥っているカップルが、いきなり抱き合って寝ろとか『課題』が出されても気恥ずかしいばかり。愛撫しあうという『課題』には、ついにアーノルドが拒絶して、セラピーは中止になる寸前まで追い込まれます。
このときのアーノルドに向けたセラピストのフェルド医師が放つ言葉が印象的でした。「あなたのプライドと奥さんを大切に思う気持ちとどっちが大きいか考えてください。」と。
本作の脚本のいいところは、なかなか一筋ならでは主人公の夫婦が夫婦関係を取り戻せず、何度も危機を迎えるシーンを描いて、観客をハラハラさせてくれることです。その象徴的なエピソードが、「中折れ事件」。セラピーの成果が効いてきて、アーノルドが高級レストランにケイを招待し、そのままレストランのVIPルームで一夜をロマンチックな共にすることに。これにはケイも大喜びで、ふたりは自然に抱き合うように。久々の夫婦生活突入かと思いきや、ケイの置いた姿を見つめたアーノルドは、すっかり萎えてしまうのです。なんて酷い奴って思わないでくださいね。世の殿方の息子くんは、正直なんですぅ。無理してもダメなんですぅぅぅ~(^^ゞ
離婚の危機を抱えながらもセラピーを終えて帰ろうとするふたりに、フェルド医師は暖かく、セラピー参加で大きく変化したことを評価し、これがはじまりなんだと励まします。この先生の誠意あるキャラが、セックスがテーマのセラピーを嫌らしくなく、真剣に夫婦の再生を目指している姿が出ていて、作品のリアルティを際立てていました。でも特に再生でなく離婚を勧めることもあるという言葉には、アーノルドもどきりとさせられたことでしょう(^^ゞ
さあて、そんな瀬戸際なふたりがどうなるのか、ラストのどんでん返しが見ものです。 それにしても、ストリープとジョーンズのなんと息の合っている演技なのでしょうか。どう見ても本物の夫婦に見えてしまいます。隙がありません。年柄にもなくベッドシーンやオナニーのシーンをこなさなくては、ストリープ恥ずかしかったでしょう。それだけではありません。セラピーの課題の中には、公衆の中で××しなければいけないという卒倒するくらい恥ずかしいシーンがあるのです。よくまぁ出演を引き受けたものだと、ストリープの女優根性に脱帽しました。
どんな倦怠期の夫婦でも、この作品をご覧になれば、お互いを見つめ直すきっかけになれると太鼓判を押しておきます。そして久々に、××いたすことになるでしょう(^^ゞ
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