「別れたくなければ…」31年目の夫婦げんか arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
別れたくなければ…
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熟年夫婦のセックスレス解消奮闘記。
と言ってしまうと身も蓋もない。
日本人にとっては、結婚カウンセラーという職業の存在も馴染みがないだろうし、
メリル・ストリープ演じるケイの行動も理解し難いものかもしれない。
しかし、その根底にあるのは、
長年の結婚生活の中で少しづつすれ違ってしまった夫婦の物語であり、これは普遍的な物語である。
夫のケガ(+イビキ)がきっかけで別の寝室で寝るようになりセックスレスにもなってしまったのは、あくまで表面化した問題であり
、その根底にあるのは、お互い口に出さずにきた小さな不満の集積なのだ。
夫は妻の小さな拒絶に傷付き、妻はクリスマスや記念日の祝い方が気に入らない。
これくらいの不満はどこの夫婦も同じ。
しかし、この夫婦の間に愛情が失われた訳ではない。
別れたくはないから、妻はカウンセリングを申し込み、夫も渋々とはいえついて行ったのだ。
別れたくない、これからも一緒にいたいのなら、お互いが何を不満に思い、何が嬉しいのか、無関心になったら、関係は行き詰まる。
カウンセラー役のスティーヴ・カレルは大人しめだが、メリル・ストリープ、トミー・リー・ジョーンズの名優二人へのリスペクトからあくまでも脇に徹した印象。
苦虫を噛み潰したようなトミー・リー・ジョーンズのオロオロぶりが可愛い!
※二人が映画館で観る映画はスティーヴ・カレル主演でリメイクされたフランス映画『奇人たちの晩餐会』だと思う。
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