「設定も内容も酷い」図書館戦争 WWWさんの映画レビュー(感想・評価)
設定も内容も酷い
現代日本でメディアに対する過度な検閲が行われたらどうなるのか?そんなテーマだと思って観てみたら、そんな内容ではなかった。それは自分の勘違いだったとしても、設定が酷すぎる。
国の法律に基づいたメディアの規制なら、規制対象の書籍は出版社が回収して店頭には並ばないはず。万が一店頭に並んでしまっても自主回収されるでしょう。しかし、この作品では規制対象の書籍が普通に店頭に並んでいて、それを武装した組織が取り締まるという非現実的というかストーリーの為の無理やりな設定になっている。それに、メディア規制なのに本だけにフォーカスして、テレビやラジオやネットなどには一切触れず。
上記の設定を100歩譲って受け入れるとしても、更におかしい設定が。やり方はおかしいけど、有害図書の取り締まりは国家権力が法に基づいて行っているはず。なのに、それに対抗して図書館(地方自治体の運営かな?)が武力で対抗?図書館て武器所持して良いの?メディア規制うんぬんの前に地方自治体が銃所持できる法律が出来た?非現実的を超えて荒唐無稽すぎる。法の下において、2つの組織が武力抗争してるとか分けわからない。
「この作品はそういう世界なんです」と言われたら100万歩譲って受け入れるとして、それにしても内容が酷すぎる。本屋やコンビニで本を取り上げられるシーンがあるくらいで、学び知ることの大切さや、国家が思想を検閲することの危険性などは全く描かれておらず、基本的には主人公の女性とその「王子様」のラブコメ(?)みたいな話。後半は、戦闘シーンやシリアスなシーンが盛り込まれてるけど、アクションはしょぼいし設定も無茶苦茶なので「何にしてんの?」としか思えなかった。ちなみに、ラブコメとしても面白くないです。
今まで観た映画の中で恐らくワースト。