劇場公開日 2013年6月15日

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「笑えるけれども、自分のことを笑っているようで、少し胸が痛かった。」俺はまだ本気出してないだけ Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0笑えるけれども、自分のことを笑っているようで、少し胸が痛かった。

2013年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

笑えて、泣けて、考えさせられる、こういう映画いいと思います。

特に考えさせられるところがいい。

笑いをとろうとか、泣かせてやろうとか、その他の目的がある場合、現実からかけ離れてしまうことが多いけど、この映画はそうなっていません。

現実的なのに、笑えて、泣けた。

この映画の原作は、映画化されるかなり前、一巻だけ立ち読み程度に読んだことがある。

その時はすごく面白い設定だと思った反面、自分のことが書かれているような気がして、続きを読まなかった。

この映画だと、シズオ(神)に「おまえ、ヤバいっしょ?もういいかげんヤバくね?」と言われているような感じです。

人間いくつになっても、世間からは終わっていると思われても、自分はこれでよかったのだろうか?もっと他に何かあって、本気を出せばいけるのでは?というモラトリアムな気持ちを持っていると思います。

女性ならば、結婚している、あるいは付き合っているパートナーでよかったのだろうか?もっといい人いなかったのだろうか?本気出せばもっといい人ゲットできるのでは?みたいな気持ちです。

若い人は関係ない、この映画のようなことは当たり前でヤバくないのか、というとそうでもないと思う。

成長期やバブル期みたいに、その辺にチャンスがころがっている時代ではないし、あらゆるところがシステム化され、高度化、細分化しているから、目標をなるべく早いうちに決め、一直線に進まなければ、なかなか目標までたどりつけない。

若い人でも、モラトリアムな状態でフラフラしているのはかなりヤバい。

この映画の設定自体は、コントになりそうなもので笑えるけれど、その笑いが自分に帰ってきて、ちょっと胸が痛い感じもする不思議な映画でした。

モラトリアムから卒業できないシズオに、お父さんの言った「おまえ、いつまで生きるつもりだ?」という台詞は名言だと思う。

Push6700