劇場公開日 1936年10月15日

「女郎の誠と玉子の四角 あれば晦日(みそか)に月も出る」祇園の姉妹(1936) talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5女郎の誠と玉子の四角 あれば晦日(みそか)に月も出る

2015年8月14日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

なんていう歌詞の長唄がある。要するにそんなものはこの世の中に無いという意味だ。嘘ついてなんぼ、そうでなければ生きていけない。芸妓なんていうものがなんでこの世の中にあるんだ、なくなってしまえばいいんだ!大怪我をして病院のベッドに横たわりながら、男と戦うことを私は決して辞めない、というおもちゃ(山田五十鈴)の台詞はグサリと刺さる。彼女の啖呵も言葉も叫びもすべて今でも真実だ。19歳の山田五十鈴の演技は「浪華悲歌」同様、リアルで素晴らしい。(2022.5.7.リニューアルした新文芸座にて再度の鑑賞)

おまけ
昔の映画を見ると、ビールでもお酒でも相手につぐとき女性は必ず、逆手にした片手(右手)で瓶なりお銚子を持ってる。空いている左手は着物の袂に添えている時もあればそうでない時もある。両手でつぐより姿がいい。でも一番いいのは自分の酒は自分でつぐことだな。

talisman