劇場公開日 2013年11月9日

「歴史があてがきと思わせるほどのキャスト」清須会議 llさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5歴史があてがきと思わせるほどのキャスト

2021年8月29日
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鑑賞方法:VOD

三谷幸喜は歴史オタクでも知られているが、歴史上の人物をイメージし、現代の俳優に完璧に当てはめる天才だ

柴田は不器用であり空気が読めず、ゆえに大一番での勝負弱さを露呈し、歴史上の負け組となる
役所広司は特に負け組というイメージはないが、動物的な行動と言動、可愛げのある憎めなさが妙にハマる

豊臣秀吉は日本の歴史上最も性格の特徴が有名といっても過言ではなく、陽気に武力よりも政治、コミュニケーションで天下を取った人物だ
大泉洋は豊臣秀吉を演じるために俳優になったのではないかと思わせるハマり役だと感じた

メイン2人の対照的な性格の表現方法、演出が巧みでさりげないと感じた
池田を説得する際の、指を舐めてからの池田の肩に手をかける際、柴田は舐めた指がガッツリと肩に着いているが、豊臣はしっかりと指を立てている笑
この小さな行動が大きな歴史の変化点になったと考えるとかなり面白い

武将の後継ぎ問題について、そもそも血の繋がった者を後継ぎにしては朝廷と同じになり、実力のある者が上に立ち続け、国がまとまる可能性はかなり低い
先が見えず、経験の少なかった時代において、後継ぎよりも自分が天下人にふさわしいと考えていた豊臣と
本気で信孝を後継者と考えていた柴田では、会議を行うだいぶ前から決着が着いていたと思える

なにより、三谷幸喜作品のオーバーな演技と、派手な音楽や演出は、時代劇においてもっともハマると感じた

追記
松姫が川にあえて向かった事を打ち明けるシーンについて、やはり邦画特有の説明過多であると感じた
もちろん、剛力の最後の顔は圧感ではあるが

Eeee