相棒シリーズ X DAYのレビュー・感想・評価
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金融封鎖計画…イタミン頑張るの巻
「相棒」スピンオフ映画シリーズ第2作。
「日曜洋画劇場特別企画」で鑑賞。
ノベライズは既読です。
政・官・財の巨大な権力構造が構想する恐るべき金融封鎖計画―"X DAY"が絡んだ殺人事件に、警視庁捜査一課七係・伊丹刑事とサイバー犯罪対策課捜査官・岩月彬が挑む!
スピンオフと云えども、「相棒」らしさ全開。社会派なストーリーとエンターテインメントが両立されていて、とても観応えがありました。右京さんや神戸くんをはじめ、レギュラーキャラも総登場!―大河内監察官と角田課長と云う新鮮な組み合わせが堪りませんでした(笑)。
金融封鎖の執行が来たるべき未来として暗示されるラストがとても不気味でした。X DAYの予行演習として、意図的にATMの誤作動が引き起こされ、民衆がパニックに…。空中を舞う札束に群がる人々…。予行演習だけで相当な影響なのに、本式が発動したらどうなってしまうのか?…
「国家の危機も大事だが、人ひとり殺されてるんだよ!」とばかりに銀行員殺人事件の真相に肉薄していくイタミンと、彼の刑事魂に次第に影響されていく岩月の活躍も観逃せない!―はじめはクールで自分の職務以外には冷めた視線を向けていた岩月が、イタミンの相棒になっていく過程が堪らない!
てか、いつも以上にイタミン頑張ってました。なんせ主役だもんね!―パニックの中を逃げ回る犯人を、渋滞で停まってる車の上もなんのその、疾走して追跡!―少しキツそうなのがちょっとかわいかった。連ドラではあまり見られない光景なので見どころのひとつではないかなと思いました。
※追記(2018/11/10)
岩月彬役の田中圭が「おっさんずラブ」で大ブレイクしてしまったので、もう再登場はしないのかもなぁ…。と、ちょっぴり残念に思う今日この頃です(笑)。
season11・第17話「ビリー」に登場して以来ご無沙汰ですので、また何かの機会に再登場して、青木年男と対決なんてのも面白いかも、なんて妄想していたもんですから…
※鑑賞記録
2014/04/27:日曜洋画劇場特別企画
※リライト(2021/01/07)
最後まで観てもちょっと釈然としない・・・
・亡くなった行員の正義感にそもそも全く共感ができず、最後まで釈然としない。実際に仕組まれた日にちがあるとしても、そもそもそのデータを公表した事で防げるような事じゃないのでは?
・その彼女も、何か理解せずそのまま踏襲した理由も良くわからない。
・結果的に、殺人事件として犯人が起訴されても、何も変わってないのでは?
・私の理解力が低いだけかもしれませんが、色々と釈然としない部分の残る作品でした。
相棒ができてよかったね
殺された人はあのデータを流して一般の人に何を判ってもらいたかったのだろうかと疑問。
金融封鎖の練習は、実際起こりえそうで怖い。紙切れで売り買いしてるんだと改めて思った。
主要キャラがだいたい登場して満足。伊丹と岩月のコンビが絶妙だった。準レギュラーになってほしい。
面白かったけれど、結末がちょっと残念
杉下右京さんが主役でなくても、いつものメンバーが登場する相棒の世界です。ストーリーも相棒らしくて面白かったですが、結末が消化不良だったのがちょっと残念です。殺人事件は解決していますが、X DAYの方は決着がついていません。続編に続くのでしょうか。
共通の目標に向かってぶつかっていく、過程の解りやすさと、勢いの違いが『プラチナデータ』よりも優れている点
相棒シリーズの劇場版は、これまでに3作が製作されており、今回の映画は、09年公開の「鑑識・米沢守の事件簿」に続く、「相棒シリーズ」の最新作という位置づけ。今回は捜査1課の伊丹刑事とサイバー犯罪対策課専門捜査官・岩月の相棒を描くスピンオフ作品。伊丹刑事も相棒シリーズに欠かせない人気キャラに成長しました。今回は、クールな若月と出会うことで、シリーズ初期のような熱血漢&冷静沈着なコンビを再現しました。
「相棒 season11」のドラマ上では伊丹と岩月は「事件で知り合った仲」ということになっています。その「事件」がこの映画の中にあったわけですね。キャラクター同士のぶつかり合いが面白いこのシリーズで今作は「刑事の勘対データ主義」という分かりやすい図式が際立っていました。『プラチナデータ』を先週見たとき何かすっきりしない感じを受けたのですが、それが何だったのか、このふたりの関係を見ることでストンと理解できたのです。
そのわけは、昭和の刑事ドラマの泥くささと「サイバー犯罪」という最先端の事件背景のなかで浮き上がる、「実際の会社にいそうなデジタルに弱いおじさん」と「頭でっかちなネットに強い若者」という対比が際立っているからです。
特に『プラチナデータ』の浅間刑事と比べて、同じ現場一筋の伊丹刑事が見せる犯人逮捕の執念が凄まじいのです。映画という長尺な作品だからこそ描けたものでしょうけれど、後半の重要参考人を追い詰めるシーンは、なかなか骨太で感動すら覚えました。事件の背景にある財務省の圧力で、事実上犯人逮捕ができない状況に追い込まれても怯まず、容疑者を追い詰めようとする執念の強さは、殺人事件とは無関係の専門職だと割りきっていた岩月の警察官としての正義感に火をつけて、伊丹も驚くほどの活躍を見せるのです。
単なる際立てだけでなく、激しいキャラのぶつかりあいによって、互いが感化され、いつの間にか犯人逮捕という共通の目標に向かってぶつかっていく『相棒』となって行く、その過程の解りやすさと、勢いの違いが『プラチナデータ』よりも優れている点だと思います。
余談ですが追走シーン中、大量の1万円札が空中をひらひらと舞い。それを巡って多くの群衆が押しかけていくなかを、人をかき分けてう伊丹と若月の必死の姿がとても印象的でした。とても映画的なシーンだった思います。
相棒劇場版は、和泉聖治監督から橋本一監督に代わって、凄くテンポが良くなったと思います。5月公開の『探偵はバーにいる2』も期待できそうですね。
物語は、銀行員の死体と燃やされたお札が発見されるところから始まります。被害者は東京明和銀行本店システム部の中山で、ネットへの不正アクセスと機密情報漏えいの疑いでサイバー犯罪対策課からマークされていた人物だったのです。ここで殺人事件として捜査を開始した伊丹と、不正アクセス容疑として捜査していた岩月が出会うことに。そして互いにいがみ合いながら事件を追っていく先に、政官財の権力構造と金融封鎖計画「X?DAY」が浮かび上がってくるのです。中山がネット上でばらまいていたデータが「X?DAY」計画に関連するするデータだったのです。
「X?DAY」とは国債暴落の日。作品中でも右京の台詞として、このまま国債発行を続けて国の借金を増やしたら、いつかはそうなって、円も価値がなくなるでしょうと語らせています。
だからといって、それを阻止する大義名分の元に、わざと金融機関のシステム障害を起こして金融不安を発生させる「X?DAY」の予行演習を事も有ろうに財務省や金融庁が仕掛けることがあってはならないはずです。そんな事態を知りえた中山は、陰謀の告発に動いたのでした。
ところで実際は、「X?DAY」というのは、何としても増税したい財務省が仕掛けた、国民を脅迫するプロパガンダに過ぎません。今後も、日本政府の負債(国の借金)が増えた場合、家計(もしくは企業)の金融資産が増えるだけの話なので、「国債暴落Xデイ!」などという話はあり得ないのです。
それにしても本作での内村刑事部長の対応は異例でした。おそらくは、財務省の「X?DAY」の脅しに愕然となった内村は、官僚・銀行関係者から逮捕者を出すなという財務省からの要求に、屈してしまうのですね。しかし、殺人事件の犯人を、逮捕するなとは、いくら刑事部長でも口が裂けてもいえない言葉でした。だから伊丹にいつものように上から目線で高飛車に圧力をかけるのでなく、縋るように捕まえないでくれ~とお願いするところが何ともユニークでした。
ところで相棒シリーズのファンなら見落とせないのが、登場するキャラがオールスター構成であること。当然、右京もカメオ出演しています。しかし休暇でロンドン旅行中の右京が事件に首を突っ込むのは、出番の設定がやや苦しい(^^ゞ。まぁ、ファンサービスということで許してあげてほしいところでしょう。また元相棒の神戸の久々の登場も嬉しいところ。ドラマの最終回では名前だけの登場でしたが、本作では、これまたシリーズ準レギュラーといっていい総理補佐官・片山雛子を相手に、事件の舞台裏を暴く重要な役回りを果たしていました。もちろん、鑑識課の米沢、角田課長、陣川らおなじみの面々も、ばっちり活躍して伊丹をサポートしていました。「花の里」では、右京の代わりに捜査圧力に屈しそうな伊丹と岩月が、月本幸子に癒されるなど、ファンなら注目の絡むシーンが続々登場しますので、多いに期待して結構ですよ。
華はないけど意味はある。
ドラマでも毎回凝った脚本で様々な問題を取り上げている本作。
あまりに残酷で容赦ない現実を突きつけてくる回があると思えば、
異様にコミカルで妄想劇のようにスッと終わっていく回もある。
単なる刑事物の枠を超えた見せ方は、視聴者を実験台にしている
ようで、面白さの中に反応を期待されている心地悪さを感じつつ、
どうにもこのシリーズから目が離せなくなったファンの一人である。
映画版の方も毎回観ているんだけど、
米沢の時と同じく今回はスピンオフ、伊丹刑事が主人公っていう
華のなさにも程がある(ゴメンね^^;)配役ながら、さすがに12年もの
月日を勤め上げたベテラン刑事、今作で初お目見えした岩月との
丁々発止のやりとりは、なかなか面白い。
サイバー犯罪対策課の専門捜査官である岩月(田中)の性格描写も
よく描けており、伊丹と真っ向から対立する真逆の捜査方向にも
(ある意味歳の差も関係してる)昔と今じゃ考え方そのものが違う。
ハッキリ言って伊丹世代の私も(あそこまで疎くはないけれども)
難しいことは考えない性質だ。そこがいけないのも承知している^^;
実際に日本が債権不履行に陥ったら、どうなるんだろう。
考えなきゃいけないことなのは分かっていても、考えたことがない。
そもそも(あり得そうなことだとは思っているのに)
銀行のシステム停止でお金が下ろせなくなる不安も、考えていない。
政府筋のマネをしたくはないが「まったく想定外」なのがこういった
自分だけはそうならない。とか、自分の周囲はまだ大丈夫。という
慢心から急激な事態の悪化に耐えられない国民意識を作っていると
確かに、まったく、その通りだと思う。日本国民ってどこまでも平和。
地震災害や原発不安などを身近に体験して初めて、そういう意識が
強く取り沙汰されるようになってきた。そしたら今度は極端なくらい
「不安、不満」とプラカードに書いては頑なに意識改革を迫ってくる。
不安材料を幾つ並べたところで、今すぐ解決できる状況にはない。
かといって何事もなかったかのように、今まで通りでいいのか?と
問われれば、いや、まったくそんなことはないのも分かる。
今作のラストが微妙にスッキリしないまま終わってしまうのは、
それが言いたかったのだと思う。考えてどうなるものではなくても
考えていかなければ、いずれとんでもないことになるぞ!の脅威。
確かにXDAYは、すでに想定内に入れておかねばならないのかも…。
初コンビの活躍は、今作後の展開が見られるTVシリーズの中にも
チラリと登場していたが、いつもの三人組とは違って新たな伊丹像
が見られるようになるのかもしれない。華はないけどちょっと期待^^;
まぁギター演奏の方は、米沢さんに任せていいからさ。
右京さんはチラリの登場ながら、核心をついた発言。
尊くんもチラリ登場、それ以外にも各々の部署の仕事が垣間見れて
なかなか面白い作りだった。ただ、(多くの方が言っているように)
本当にあの最後の場面だけが^^;延々と流されたのだけいただけない。
いきなり妄想・仮想の世界に入ってしまったかのような、お札の吹雪。
まぁちょっと洋画の雰囲気(よく似た展開を見せる映画があって)で
遊んじゃったのかしら。ホント何が起こるか、想定外ですよねぇ。
(角田警視も、よっヒマか?なんて、言ってられなくなる可能性アリ^^;)
面白かったけど。
面白かったですけどもイマイチ現実味が無いというか何と言えばいいのか?
金融パニックとでも言えばいいんですかあれが?
宣伝の時にあれだけ大事風に見せておいてパニックといえるのは銀行のシステム障害だけ。
自分はX DAYが本当に起きて日本中がパニックに陥ってしまっているんだろうと思い込みそれを異色の相棒がどう解決していくのかと期待してたんですけど。
それと相棒シリーズのラストシーンに必要なのは笑いではなくやるせなさだと思うのですが他の皆様方はどう思われましたか?
相棒、そして、日本経済の新たなる夜明け前
殺害された大手銀行のシステム課社員が、生前ネットで経済界を揺るがす極秘情報を漏洩していた為、政財界を巻き込む金融スキャンダルへと発展していく。
日本国家はおろか世界経済の破綻を招きかねない火種を囲み、野心的政治家(木村佳乃)や警察庁長官(宇津井健)etc.お馴染みの腹黒キャリア組が探り合う、国家的規模の危機は緊迫感溢れるスケールを成す。
が故に、2人の相手は殺人犯ではなく、情報漏洩を揉み消そうとする国家権力の圧迫に拡大し、謀略に如何に牙を剥くかが争点となる。
何せ標的がカネ絡みの圧力とネット社会という難敵揃いのため、直ぐに行き詰まる展開がもどかしく、そして、難解である。
昼間の再放送をメインに寝転びながら、謎解きを楽しむ私のようなライトウォッチャーには、敷居の高さに最後まで戸惑ってしまった。
ファンの間で賛否がハッキリ分かれる世界観は、人気長寿シリーズだからこその宿命と云えば、それまでだが、わざわざ映画化するほどの意義は有るのか、判断に窮する作品である。
では最後に短歌を一首
『網漏れて さ迷う諭吉 狩る正義 懐探る 沈没の波』
by全竜
物語の詰めが甘いのが残念
相棒シリーズからのスピンオフ映画作品第二弾。
今回は、伊丹刑事が大活躍します。相棒のはじめの頃は、伊丹始め捜査一課の「トリオ・ザ・捜一」の面々って、右京を目の敵にしていましたが、時代が進み、みんな丸くなったのか、あるいは、作品の構成上仕方が無いのか(失礼)不明ですが、憎まれ口を叩きながらも、何となく捜査一課の面々は右京と上手くやっているような気がしますが、どうでしょうか?(TVレギュラー放送は、時々しか見ないもので・・・)
そんな捜査一課の熱血漢伊丹刑事と、今回、行きがかり上“相棒”になってしまうのは、サイバー犯罪対策課専門捜査官岩月。劇中のセリフにそれを思わせるものがあるんですが、元SEで、会社をリストラに遭ってサイバー犯罪対策課専門捜査官に転身した経歴を持つようです。そんな岩月を演じるのは、田中圭。少しノンビリした印象を持っていたんですが、この作品では、伊丹と接することで徐々に熱くなっていく専門捜査官を演じています。
TVのレギュラー放送でも時々は出てきますが、映画になると、片山雛子はじめ政界のドロドロした描写がより強くなるようですね。今回もそう。って言うか、そのあたりよりも、気になった所が・・・。片山雛子と戸張他が会食するシーン。4人いるのに、何故かテーブルの長手の所に二人座り、その反対側の長手には誰も座らないという、あたかも家族ゲームのような撮影手法。ちょっと不自然でした。
突っ込みどころを記してしまったので、もう少しツッコミを(笑)。ラストに近い、伊丹と岩月が朽木を追うシーン。あれは無いんじゃないかなぁ。朽木が車の上を登りながら逃げたからといって警官が同じ事をしては・・・。
X DAYに関する描写、X DAYのシミュレーションを行う集団の描写が、少し甘いかな。その為か、物語自体の詰めが甘く感じてしまいました。残念。もう少し緻密に描ければ、もっと良い作品になっていたと思います。右京がロンドン出張中と言う設定であったので、右京登場シーンが殆ど無いことが、物語の詰めが甘い結果につながったのかも。
う〜ん。微妙。
ドラマに比べて脇役たちが長めに登場するため、相棒マニアの琴線に触れる作りになっていると思います。
ストーリーは.... 社会派でもない、そんな笑えることろもない、興奮するところもあまりないと、なんか全部中途半端な感じです。
相棒、社会派の匂いだけはあるけど、実はパターン化されている感じします。巨悪に立ち向かう→圧力がかかり捜査行き詰まる→とりあえず犯人は捕まる→とかげの尻尾切りに終わるが(権力の方は直接手を下してないのでセーフ)、刑事の仕事は犯人つかまえることなのでまあ後味悪いがそれはそれでOKでお終い。
ATMとネットバンキング使えなくなるだけで金融不安になるというのもリアリティに乏しい。窓口業務が混雑するだけだと思いますが。もっとすごいことが起きないとX Dayにはならないような..
スピンオフなんだし、いっそのこと、巨悪や背後の悪党が逃げきり、というような予想できない展開にして欲しかったですね。
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