「蝦夷の開拓」北の零年 うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)さんの映画レビュー(感想・評価)
蝦夷の開拓
大自然の開拓に向かった家臣団が開拓民になるまで、どれほどの苦労をしたか?よく伝わってくる。
時間は止まらず選択を迫られ、決して幸せとは言えない結果でも甘んじて受けて行く…辛酸を舐めながらも未来を見ていく姿に人間の強さをみた。
当然あの時代だから、生き方は半農選ぶことぐらいしかない武士とその家族だし、あの寒冷地を開拓する知識も乏しいからあの苦難も想像できる。ただ寒冷地で育つ種を探しに行った夫が戻って来ず、地元有力者と結婚し役人として帰ってくる件は気分悪い。
妻の吉永小百合に言い訳する渡辺謙のあんな情けない姿見るのは珍しいかも。
吉永小百合のモテ設定は良いのだが、小松原夫婦の見た目による年齢差が見えるのはちょっと…と思う。設定された年齢と吉永小百合の見た目に結構な無理があるように見えてしまう。志乃を還暦手前だった吉永小百合が若く演じてもちょっと厳しい。
貞淑な妻の志乃とは対照的に同僚馬宮の妻を演じた石田ゆり子は色気たっぷり、息子を失って困窮した生活の中、夫を投げ捨て他の男に走る姿を見ると、この状況ではそうなるよな…と観念してしまう。この二人の対比でも志乃の雰囲気は少し若いお婆ちゃんに見えるので、サユリストや同様の年齢層の方の支持は得られそうだけど、若い人には私と同じような感覚になる人が多くなりそう。
「かあべえ」でも同じような年齢設定で、夫に対して年齢が高いように見えて仕方なかったので、そろそろ吉永小百合には年齢相応の役柄を演じる方が良いと思う。
阿波に移住した稲田藩の人々は農業や商業に進み、淡路の頃から繋がりのあったルートで藍などを流通させた。しかし時代のルールで好き勝手に作る作物を選べなかった苦悩もあったらしい。
作中冒頭に淡路から稲田家の家臣団が蝦夷開拓と徳島県に別れて暮らすようになった件が解説される。現在でも稲田家に繋がる方々が暮らしている徳島県美馬市周辺で稲田会と言うグループが歴史を学ぶ目的や地域の交流を活動されている