「期待を裏切らない作品」アマデウス ディレクターズ・カット版 kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5期待を裏切らない作品

2014年10月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

今作品、重厚な音楽・華麗なオペラ・サスペンス調のストーリー、そして何よりモーツァルトとサリエリの人物描写が見応えあった。天才と凡人、神はどちらにも平等に苦悩を与えられたということか。サリエリはモーツァルトを通して常に神と対峙していた…のでただの嫉妬心とはちょっと違う気がする。
神父に告白していく中で彼は何度も「神が私を…」と呟く。最終的には自分自身も罪の意識に苛まれ、自己を破壊していく。
一方、天賦の才能を魅せつけたモーツァルトも厳格な父親の前ではひとりの息子、父が彼にとっての神だった気がする。生活のために「金を稼いで!」と彼をあおる幼妻コンスタンツェの存在がある意味、一番俗物的でその他大勢の代表かも。登場人物を通して人間の内面を深く描きだした傑作だと思う。おすすめです。

sonje