プロデューサーズ(1968)のレビュー・感想・評価
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ヒットラーものということからある種ブラック・コメディのカテゴリーなのだろう。
儲けの仕組みは一見簡単そうだが内容を知らずに出資する人がいるかどうか、おばあちゃん達がカモという設定はきつい、ところがメル・ブルックスが若い頃出会ったプロデューサーがそうだったらしい、ひどい業界だ。絶対外れる企画がヒットラーというのもうなずけるが初日に満席なのはどうしたのだろう。怖いもの見たさではないが暇を弄ばしている上流階級には話のネタとしてはごちそうなのかもしれない。アカデミーの脚本賞を取ったのも頷ける、こんな突飛でリスキーなプロットを考えたメル・ブルックスは天才だ。しかし最初から受け入れられたわけではない、メルはブルーム役を友人のピーター・セラーズにオファーしたが内容が内容だけに無視されたらしい、案の定ヒットラーものということでユダヤ人団体からは総スカン、興業も振るわなかったが後にひょんなきっかけで映画を観たピーターが感激し自費でバラエティ誌に推薦広告を出したのがきっかけで全国上映され大ヒットになった。ゼロ・モステルの舞台芸人ならではのアクの強さとジーン・ワイルダーの初々しさが妙なテンションで疲れるが面白い、キャラクターでひっぱる演出の見本のような映画である。先鞭をつけた本作が意味深いことは勿論だが2005年版の方も素晴らしい。
ブロードウェイの華やかさを見事に映画に織り込む振付・監督のスーザン・ストローマン女史の才能とメル・ブルックスの合わせ技、見事ショーアップした点でも事件後を描いた点でもアップグレード版といって良いだろう。
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