「「ダークナイト」がヒーロー映画の概念を覆したのなら、「ガメラ3」は怪獣映画の概念を覆す」ガメラ3 邪神(イリス)覚醒 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
「ダークナイト」がヒーロー映画の概念を覆したのなら、「ガメラ3」は怪獣映画の概念を覆す
「ダークナイト」がヒーロー映画の概念を覆したのなら、怪獣映画の概念を覆したのはこの「ガメラ3」だろう。
本格怪獣映画でありながら、一種独特の作品雰囲気とテーマを持ち合わせ、異色の怪獣映画と言えよう。
何故怪獣は日本にばかり現れるのか?
怪獣映画は日本で作られるから…ではなく、一つの答えを導き出している。
でもそれはあくまでもこの作品世界だけのものであるが、怪獣映画のタブーに挑んだ意欲は偉い。
少女が主人公となり同級生に嫌がらせを受けるなど、怪獣映画らしかぬシーンもある。
今回の新怪獣イリスは、ガメラに両親を殺されたその少女の憎しみが生み出した存在であり、怪獣の姿を借りて憎しみや復讐の恐ろしさと哀しみを訴えている。
ガメラは決して人類に対して敵意は無いが、その巨体が多くの犠牲を生む。少女の両親もそう。
怪獣の存在意義を問いかける。
それを最も表した、夜の渋谷におけるガメラ対ギャオスは、本編と特撮とCGが見事に融合し、特撮映画史上に残る名シーンとなった。
それでも人との絆を断ち切れないガメラ。
その絆がガメラを強くし、遂にイリスを倒す。
希薄になった人と人の交流をガメラが代弁してくれた気がした。
ラスト、イリスを倒したガメラに、世界中から集まったギャオスの群れが襲いかかる。
イリスとの戦いで満身創痍になりながらもギャオス群を迎え撃つガメラ。
…という所で映画は終わる。
本当はガメラとギャオス群の最終戦が描かれる予定だったが、敢えて描かなかった幕切れが絶妙。ここも怪獣映画としては意表を突く。
炎の海の中で仁王立ちするガメラの姿に、哀切と男惚れを感じた!
3作共もう何度も見ているが、全く飽きる事なく、いつ見ても大興奮&大満足!
怪獣映画史に燦然と輝く傑作シリーズだ!
「ゴジラVSガメラ」!
特撮怪獣映画に残された最後の聖域ですよね!
それは確かに観たいです!
子供の頃によく空想してました(笑)
もし実現すればファンは狂喜すること間違いなしですね。
そういうことだったんですね!
知りませんでした。
でもそこでガメラとギャオスの群れの戦闘シーンを描いてしまっていたとしたら、あのラストの哀感を伴う余韻は得られないと思うので、これはこれでめちゃくちゃありですよね!
下手すると「ゴジラ」シリーズよりおもしろい三部作かもしれませんね(笑)
内包するテーマ性や緻密な描写など、「シン・ゴジラ」以前のゴジラがひっくり返ってしまいそうです。
それでも私はゴジラの方が好きですが…(笑)
ガメラ生誕50周年を記念して動画が公開されましたが、それ以降の動きが無いですね。
てっきり新作映画が製作されるのかな、と期待していましたがそんなこともなく…。
ゴジラも復活したことだし、ガメラもそろそろ…ってところです。
今度は「小さき勇者たち‐ガメラ‐」のようなジュブナイル作品ではなく、「平成三部作」のような重厚な作品にしてほしいですね!