劇場公開日 2021年4月16日

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「素晴らしい! やはり、俺は、樋口監督の特撮が大好きだ!!」ガメラ3 邪神(イリス)覚醒 CBさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0素晴らしい! やはり、俺は、樋口監督の特撮が大好きだ!!

2022年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1999赤道付近、長峰真弓(中山忍)が訪れていたのはある島。そこには、ギャオスの死体が。
日本最南端の沖之鳥島では、深海探査機 "かいこう" が、深い海の底で見たものは、不自然に隆起した海底。離れて見たそれは・・・ガメラ!数多くのガメラの死体がそこに。ガメラとギャオスの存在、それと戦う人間、という図式が当たり前になっている世界を、ニュースが伝える

中山さん(忍)、相変わらず可愛い! 冒頭シーンでは、少しだけうまくなったと感心。しかし、大迫力(蛍雪次郎)との出会いでは、あっというまに下手な中山さんに逆戻りだ。さらに後半で、中山さんと藤谷さんが揃う! このふたりが揃うと、やはりすごい。少し上手になったと思った中山さんも、藤谷さんにあっというまに巻き込まれ、棒読みのオンパレード。 しかし、だんだん「この素人感こそが "ガメラシリーズ" なんじゃないの?」 とさえ思えてくるから不思議だ。

1995年東京の、ガメラ登場による "破壊" を映す映像。激しく揺れるモノクロ画面。衝撃で割れ砕け散るビルの窓ガラス。樋口監督、最高だよ!
一方で、洞窟の壁の造形って難しい。この映画の特撮レベルは恐ろしく高い。CGも当時としてかなりのレベルだと思う。それでも、洞窟の壁はヌメっとした作り物感が出てしまう。いえ、まず言いたいことは、特撮がすごいってことです。それでも難しいんだな、ってこと。

19:30渋谷は、圧巻。「怪獣がいる世界」の現実化、映像化。燃え落ちるギャオス、そこに空から現れるガメラ。降り立っただけで、渋谷駅が崩壊する様子。ビルが崩れ、街が壊れるとき、そこにいる人々はどうなるのか。その徹底的な具象化。怪獣の姿を、またはギャオスを焼く炎を、決して「かっこいい」とは言わせないリアリティがそこにはある。
ハチ公は炎で溶け、人々は瞬時に火だるまとなる。ガメラの咆哮は、被害者から見れば、地獄から逃げ惑う人々への閻魔大王の怒号にも聞こえるだろう。
そして、ただすくみ上がり、立ち尽くすだけの人々を、焼き払うガメラの炎。崩れるビルのひとつのかけらだけでも、何人もの人間が死ぬ。・・・その壮絶な10分間にわたる渋谷が崩壊する映像。これが本作を観た多くの方が語っている、怪獣による災害、犠牲になる人間、という描写だ。

冒頭の渋谷、そしてエンディングの雨の京都駅。この2つの大破壊が、この映画の大傑作たる所以であり、骨格。1997年7月に新駅舎が完成したばかりの京都駅。まずその未来的な造形自体が、現実なのにSF映画的イメージを増幅させてくれる。そしてそれが崩壊する映像の見事さ。見事に作り上げられて、そして破壊される鉄骨とガラスの造形物のミニチュア。その精巧さ、その破壊の様子を描く特撮のすごさ。今回、ドルビーシネマでの鑑賞は最高だった。折れ曲がる鉄骨、割れ飛び散るガラス、崩れ落ちてくるコンクリート。自分は、ほんとうに壊れている京都駅を見ている、その中にいる錯覚にとらわれた。ありがとう、樋口特撮監督、こんな経験をさせてくれて!!

そして終盤。(ここ、ネタバレです。ごめんね)
長峰「ガメラはなにかあなたに言ったの?」
浅黄「いいえ。でもガメラは闘うつもりです。たとえひとりになっても」
長峰「いいえ。ガメラはひとりじゃないわ」
雨の中で、燃える、燃えさかる京都とガメラ。
そして画面に現れるタイトル。
「ガメラ1999 ─ Absolute Guardian of Universe ─」(世界の、究極の守護者)

実際の上映時に観ることがなかった自分は、今回の4Dデジタル復元を記念して行われている、ドルビーシネマでの3作連続上映のおかげで、短期間でシリーズをすべて観ることができ、この感動を得られたことは、この上ない幸せだった。ありがとう。

ジ・エンド・オブ・ガメラ・・・ひとつの傑作シリーズが終わった。
・・・金子監督、樋口特撮監督、ほんとうにありがとう・・・

おまけ
お、仲間由紀恵だ。なんと生気を吸われて干からびる役とはね。

おまけ2
「ギャオス変態は、彼女(綾奈)と神経融合を試みた。その後、染色体が事故変化するほどの変態能力をもっていますから、どれだけ変化したかは誰にもわからない」・・・このあたりの、科学の匂いをさせた荒唐無稽の設定が怪獣映画の真骨頂のひとつだが、本作では、絶妙な "ありそうな説" と "伝奇的言い伝え的感覚" の融合で、よくできていると思う。

おまけ3
触手。平成ガメラシリーズの怪獣の特徴は、直線的で無機的であることと、触手の生き物感とちょっとした不快感、なのかと思う。イリスもまさにそう。ガメラの右腕を腹を触手で貫くイリス。右腕を固定されて動けないガメラ。なんと、自らの炎で、とらわれた右腕を焼き切り、その焼き切った右腕をイリスに突き刺す!! そのシーンは、強烈。ガメラとイリスの死闘の中で、落下する鉄骨とコンクリート。揺れる映像がリアルさを増す。やはり俺は、樋口監督の特撮が、好きだ。

おまけ4
おお、若き綾奈は前田愛さんの妹、前田亜季だったのか。

おまけ5
エキストラの最後に並ぶのは「ガメラファンのみなさま」、ほんとにそうなんだろうな。エキストラできた人、うらやましいな。

CB
活動写真愛好家さんのコメント
2024年8月15日

コメントありがとうございます😄
エキストラの方々、うらやましいですね‼️
もう公開から四半世紀経ちますが、怪獣映画としては、やはりこの三部作が1番好きですね‼️

活動写真愛好家
ratienさんのコメント
2024年5月19日

共感、そしてコメントありがとうございます。

京都駅の破壊、そしてイリスとの決戦、渋谷の炎上シーン、どれも皆、凄まじい迫力で魅せる最高の怪獣映画!

ratien
活動写真愛好家さんのコメント
2023年6月10日

渋谷崩壊のカタルシスにはビビりました。

活動写真愛好家
kossyさんのコメント
2022年7月1日

中山忍かわいい💠

kossy