「タイトルなし」コンタクト 時村さんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
実証されたものしか信じぬ無神論者であるが故に正規パイロットから外れた主人公が何の証拠もない幻に遭遇する。これを「人は何を信じるか。哲学的だ」と肯定的に捉える向きが多いが私は強烈な皮肉に感じた。真に科学的な態度をとるならば再現実験の結果を待つべきで、「だってほんとに見たんだもん」では狂信者のテロリストと本質的に同等ではないか。彼だって「実際に」神の声を聞いたのかもしれないのだ。それは観客にとっても同じ。主人公が科学者か狂信者か、肝心な部分をスピリチュアルに描いているので各々が見たいものが見えているだけなのかもしれない。
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