「3歩あるけば棒に当たる」モンソーのパン屋の女の子 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
3歩あるけば棒に当たる
クリックして本文を読む
エリック・ロメール「6つの教訓話」の一話目。
そうか、この流れはトリュフォーにつながるんだ、と妙に納得してしまった。
好きになってしまった女性との「めぐり合い」を期待して街を彷徨く男が、たまたま見つけたパン屋に立ち寄りサブレを買う事がルーチン化。目当ての女性への面当て(この言い方が、自己中心的な男への侮蔑であり皮肉)で、パン屋の18歳の売り子をデートに誘う。偶然にもパン屋と路地を挟んだアパートに、目当ての女性は住んでおり、結果的に男は思いを果たしパン屋の娘とのデートの約束は反故となる。
思い切り淡々としてます。タメも演出も何も無し。リアリティを追求するでも無く、メッセージ性も無く、平坦なストーリーと平坦な演技。
男のナレーションと、娘と女のセリフが、時代を移す鏡。男の身勝手さ、今言うところの「上級国民的意識」なんてのをプラットフォームに、反ドラマティックな一編の小咄。
ここに教訓があるとするならば。
「男は自惚れる生き物だ」
みたいな?
コメントする