「変わるもの 変わらないもの」偶然 因果さんの映画レビュー(感想・評価)
変わるもの 変わらないもの
もしもあの電車に乗れたら、乗れなかったら。ふとした偶然から青年の人生がバタフライエフェクト的に分岐していく(そういえば『バタフライ・エフェクト』もいくつかのifエンドに分岐する映画だったな…)。しかしどれだけ政治思想が体制に染まろうが反体制に目覚めようがノンポリに脱色されようが、青年の最も基本的な性質は変わらない。真っ先に意中の女をものにしようとするほほえましい恋愛脳はどのルートでも同じ。偶然によって変わってしまうものと決して変わらないものが、3つの分岐の対比上にぼんやり浮かび上がっていた。それにしても駅員や警備員といった体制の使徒たちの存在感は異様だったな。隙あらば無知で反抗的な若者たちをしょっぴいてやろうというゲスさを感じた。『灰とダイヤモンド』が制作された国なだけある。
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