極楽六花撰
劇場公開日:1951年12月14日
解説
製作は「せきれいの曲」の加藤譲。渡辺邦男と「佐々木小次郎 (第一部)(1950)」の脚本に強力した松浦健郎とが共同でシナリオを書き、「母は嘆かず」に次いで渡辺邦男が監督している。撮影は「歌う野球小僧」の渡辺孝。出演者は、「エノケンの石川五右衛門」の榎本健一、如月寛多、「東京河童まつり」の古川緑波、柳家金語楼、清川虹子、渡辺篤、「ブンガワンソロ」の森繁久彌、「鞍馬の火祭」の入江たか子などである。
1951年製作/76分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1951年12月14日
ストーリー
天保の頃。天保六花撰といわれた悪党のうち、御数寄屋坊主上りの河内山宗俊をはじめ、直侍、暗闇の丑松の三人は捕えられて打首となった。三人は地獄へおちて闇魔大王の前にひきすえられたが、そこは人をだますことを得意とする三人なので、何んのかんのといいのがれようとする。そして、沙婆に残ってまだ悪事を重ねている六花撰の残る三人をつかまえて来るからといいまるめて、再び沙婆へ逆もどりをすることになった。しかし三人共本名を名乗ることはならぬという条件であった。さて、浮世へかえっても、本名を名乗れないので、どこへ行っても昔のように押しがきかず、相手にされない三人であった。そこで河内山はこうなった以上は堅気になり、捕手となって本当に悪人を捕えてやるといい出した。直侍は恋しい三千歳をたずねて巷へ。丑松が一人まごまごしていると、折りから聞える女の悲鳴。そこで駆けつけて助けたのが上州屋の娘お浪で、これが縁で丑松は上州屋の手代になった。直侍は、森田屋のお清のいかさまばくちにひっかかった男に会って、俺の本領を荒すやつだとのり込んで行き、そこで金子市之亟に会うが、市之亟は崖から落ちて頭を打って記憶喪失症になっているので、直侍も河内山も投げ出されてしまった。一方、三千歳は今では三国屋の二代目女親分になっているが、ようやく直侍とめぐり合う。そこで丑松、河内山、直侍と共に力を合せてお清と、お浪に横恋慕する松平公とその手先北村大膳とを叩き斬って地獄へひきあげたのであった。