暁の急襲
劇場公開日:1951年12月14日
解説
製作は「新遊侠伝(1951)」の永島一朗と大枝敬三の共同。「女豹の地図」の八田尚之の潤色で、「伊豆物語」の館岡謙之助と新人井手雅人とが強力して脚本を書き、「限りなき情熱」の春原政久が監督に当っている。撮影は「死の断崖」の山中進が受持っている。出演者の主なものは、「高原の駅よさようなら」の水島道太郎、香川京子、田崎潤に、「偽れる盛装」の藤田泰子、「武蔵野夫人」の片山明彦、「赤道祭」の藤田進などである。
1951年製作/92分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1951年12月14日
ストーリー
上野交番の上林と加川の両巡査は非常に善意にあふれた人たちであった。下宿を追い出された加川は上林家へ同居させてもらい、上林の娘綾子、息子實、正雄たちと一緒に暮すことになった。實は昼は建築会社に勤め、夜は夜学に通っていたが、父や加川の生活態度に不満を持っていた。ある日加川が水月荘の賭博をあげたと、そこでふるえていた娘由紀江を救った。加川と綾子がハイキングに行った留守に上林は加川に代って職務で倒れ、手当の甲斐なく死んで行った。そんなことから實は加川に好意を持たず、同居をさせた由紀江の就職のことで争い、居たたまれず由紀江は行方をくらましてしまい、實も家を出て下宿した。加川は巡査部長に昇進して綾子と結婚式をあげることになった。その当夜、覚醒剤密売の証拠があがり、あるギャバレーへ手入れをすることになり、加川自身も式なかばで出勤した。キャバレーの支配人濱田に由紀江は世話になっていたが、實がその由紀江に一緒に逃げようと迫り、濱田の一味に見つけられ、地下室でやきを入れられていたとき、キャバレーは警官隊に包囲された。そのどさくさに實は逃れて由紀江を救おうとして、濱田の乾分川並を射ってしまった。そして自棄になり屋上へかけのぼって行く實を加川は必死になって追いつめた。そしてその手に、いたわりをこめて、手錠をはめたのだった。