怒りの街のレビュー・感想・評価
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恋愛詐欺事件と戦後日本
1950年。成瀬巳喜男監督。東大生による闇金融事件「光クラブ事件」に触発されて、二人の大学生が行う恋愛詐欺の顛末を描く。ただし、内容について「光クラブ事件」との関係は薄く、一部人物造形が似ているものの「大学生による犯罪」というネタとして利用しているだけの面が強い。むしろ、社会派・成瀬監督のいつもの意匠のひとつと考えたほうがいい。 没落した貴族、戦後の倫理観の崩壊(いわゆるアプレが知的な階層にも浸透。これが光クラブと似ている)、ダンスホール、有閑マダム、といった時代の意匠をつぎ込みつつ、愛と倫理に訴えるロマンティックな映画になっている。
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