たそがれの密会

劇場公開日:

解説

陶山鉄のプロデュサーの第一回作、「かくて忍術映画は終わりぬ」の津路嘉郎と「恋愛草角力」の長瀬喜伴の共同脚本を「リラの花忘れじ」の原研吉が監督する。カメラは「恋愛草角力」の斎藤毅、主演者は「面影」「ジャコ万と鉄(1949)」の東宝、浜田百合子が特別出演して「われ泣きぬれて」「時の貞操」の若原雅夫(大映)、「若き日の血は燃えて」「誘惑(1948)」の山内明と共演する。

1948年製作/69分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1948年7月26日

ストーリー

まだ帰還しない夫、それも生死さえ不明の夫を待つ野中千恵は、湘南療養所の看護婦として自活の途をたてていた。美しい上に親切な彼女は若い看護婦達にしたわれていた。医師の清水は何かと心をくばり、沈み勝な千恵を励ましていたが、周囲の眼は何時しか二人の間の愛情の芽生えを感じていた。それは好意ともしっとともつかないもので、青年医師清水に愛される千恵へのせん望だったかも知れない。折も折病院の裏にある松林で清水が真剣な顔で千恵にたのんだ。というのは彼には実は一人の子供があり、東京の姉の家に預けていたが、いま病気が重いので済まないが看護に行ってくれというのだ。「清水に子供がある。妻は?」千恵は驚いたが、聞けばその妻は今は亡いという話だった。早速看護にかけつけた甲斐があって、正男は全快し、千恵につきまとった。清水は母の愛にうえているわが子、千恵を愛している自分を考えて、月光の美しい夜、彼女を誘い、正男の母となってくれと頼んだ。しかし夫のことを思えば彼女は直ちに返事をすることはできない。たとえ夫の兄が「泰介のことはあきらめて再婚してくれ」といってくれた事実があったとしても何か心に残るものがあったが清水を愛している自分を制することはできなかった。ところがそれから数日後、ひょう然と泰介が帰還した、千恵は複雑な表情で彼を迎え、その胸に顔を伏せて泣くのだった。清水は率直に泰介に向かって今までの経過を話した。泰介は二人の愛情を自然だと思った何故か憤りは感じなかった。二人を許す気持ちだったが、清水は逆に泰介の態度に打たれ、千恵が泰介を心から想っていることを知って、二人にその故郷北海道に帰ることをすすめるのだった。

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