春の饗宴

劇場公開日:

解説

「新馬鹿時代」の山本嘉次郎がみずから製作、シナリオ、演出を担当する正月作品。「銀嶺の果て」の瀬川順一が撮影「見たり聞いたりためしたり」の服部良一が音楽をそれぞれ担当している。「わが愛は山の彼方に」「雲は天才である」(製作中)の池部良「こころ月の如く」(東横)「淑女とサーカス」(松竹京都)につぐ轟夕起子(MSC)が主演「面影」(製作中)の若山セツ子、ジャズシンガーの笠置シヅ子、橘薫のほか「第二の人生」につぐ終戦後第二回出演の藤原釜足、谷間小百合、新人相原巨典らが共演している。

1947年製作/88分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1947年12月30日

ストーリー

窓越しに丸の内界わいの見えるビル街の、ある新聞社の一室。映画演劇の担当記者早坂三平は、今日行われる東京座の百万円クジの当選発表に出掛けるところだった。聞き込んだところでは東京座も、今度の興行を最後に、新興財閥に買い取られるということだった。舞台ではクジ番号を発表している。一体だれに幸運の矢がたつか、--一〇〇三八四--のネオンがともったが、だれ一人として申し出るものがない。その番号こそ、この小屋に百枚程割当てられたうちの一つなのだ。電気係神田老人の孫娘、案内係のみよ子だけが緊張した場内で足のふるえがとまらなかった。--百万円--彼女の手には固くクジ札が握られていた。今までのつまらぬ紙きれが、みよ子には何か恐ろしい生物のように感じられるのだ。神田老人はあずかったクジ札の、つかい道についていろいろな楽しい夢をえがくのだった。ところが神田老人がハッと気のついた時には、どこをどう探しても見当らないのだ。クジ札の紛失をみよ子につげた時、何故か逆にホッとするのだ。--やっぱり持ちつけん金などは持たぬ方がよい--とあきらめた途端、パラリと床に落ちたのは皮肉にも、そのクジ札だったのだ。もうだれにもかくしている必要はなかった。一同はその百万円を、身売りする劇場のために使うことに決心していたのだ。その特ダネをもった三平は締切間際の本社に急ぐのだった。

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