総会屋錦城 勝負師とその娘のレビュー・感想・評価
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名演!志村喬
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城山三郎の小説「総会屋錦城」の映画化ですが、もちろん小説とは若干異なります。しかし総会屋というものをよく描き出していました(実際の総会屋さんを見たことはないですが)。何と言っても主演の志村喬の存在感が圧倒的。「七人の侍」でのかっこいい武士・勘兵衛とも、「ゴジラ」の実直な学者・山根博士とも違う、悪役である総会屋を見事に演じていました。三つ揃いのスーツ姿ビシッときめて、株主総会の開会から手下にストップウォッチで計らせ、「〇十〇秒!」で総会を終わらせる、職人技のような世界。
家族の問題や自身の健康の問題を抱えながら、クライマックスは会社乗っ取りを企てる対立組織に敢然と立ち向かう。勝利。しかし、救われた会社の祝賀の席に錦城は呼ばれない。手下たちは悔しがるが、錦城は「そうだろうな」といって平静を保っている。自分たち総会屋は裏の存在なんだと語る孤高の姿は名演でした。この映画があまり世間に注目されないのが不思議です。
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