婦系図 湯島に散る花

劇場公開日:

解説

おなじみ泉鏡花の「婦系図」の映画化。「十代の曲り角」の共同執筆者・金田光夫が脚色、「嵐に立つ王女」の土居通芳が監督した。撮影も同じく「嵐に立つ王女」の森田守。

1959年製作/90分/日本
原題:Elegy of a Geisha
劇場公開日:1959年10月1日

ストーリー

早瀬主税は幼い時に両親を失い、大学教授・酒井俊蔵に養育された。今は、将来を嘱望される文学士となった。主税の士官学校講師就任を祝う宴が開かれた。その席で、芸者蔦吉と知り合った。互いに惹かれるものを感じ、蔦吉は芸者をひき実の名のお蔦にかえって、主税と湯島梅園町にささやかな家をかまえた。これには、魚屋「めの惣」夫婦の力添えがあった。主税はお蔦との仲を酒井に打明けることはできなかったが、主説を慕う酒井の娘、妙子はこのことに気づいていた。主税は行きずりに一人のスリを捕えた。名を伏せ逃げるように立ち去ったが、事件は翌日の新聞に載った。いっしょにいたお蔦の名も出た。二人の仲は酒井に知られた。主税は酒井に説得された。主税はお蔦と別れることを約した。湯島天神の境内、「月は晴れても心は闇だ、お蔦、何も言わずに別れてくれ」主税の声は血を吐く思いであった。お蔦は思う男のためと、諦めて「めの惣」の許に身を寄せた。時は流れて--主税は翻訳の大業を郷里で完成し、上京すると報じられた。迎えに出て主税に会えず雪の中を帰ったお蔦は、大熱を発した。妙子が見舞いに来た。主税はまだ故郷の九州にいると告げた。お蔦の容態が急変した。酒井が駈けつけ、今までのことを詫び、主税へ宛てて電報を打った。しかし、酒井が駈けつけた時には、お蔦はすでにこの世にいなかった。「お蔦、未来で永遠の契りを結ぼう」と、主税は数十丈の崖下に身を躍らせた。

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