びっくり大放送
劇場公開日:1959年5月26日
解説
花登筐脚本のテレビ喜劇「やりくりアパート」劇場版の続編。スタッフ、メインキャストは前作と変わらず。監督は竹前重吉。脚本は内海一晃と倉田順介。出演は有島一郎、益田キートン、佐々十郎、大村崑、ミヤコ蝶々ほか。パースペクタ立体音響。
1959年製作/63分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1959年5月26日
ストーリー
白昼の大阪繁華街で突然一人の男が射殺された。スワ、殺人事件! とばかり集まる人垣の中で、殺された男は立上り心臓薬の広告を始めた。彼らは“やりくりアパート”の住人佐々、大村の珍コンビなのだ。ところが今日は大村とともにもう一人の見知らぬ男がピストルで射殺された。そのそばにはスペードのエースの模様がついたライターが落ちている。ライターの蒐集狂の大村はそれを逸早く拾うと自分のポケットへ仕舞い込んでしまった。この事件を巧妙な殺人と断定した警察は、何がなんだかわからぬ、佐々と大村を連行し、山川刑事部長が取調べにあたるがいずれもトンマな話ばかり--。その頃“やりくりアパート”に野村という男が一室を貸りた。無口でその上、定職をもたないらしいこの男を、アパート一同は異様な眼でにらみ、遂に佐々、大村をつけねらうギャングの一味ではないかと疑り出した。ある日社長の招待で小泉みどりが唄うキャバレー「ゴールデン・ウェーブ」に行った佐々と大村は、一隅に野村を発見ますます疑いをもった。その時、一人の男が佐々にライターを借りにきて、問題のライターをすりかえようとするが、みどりに発見され失敗する。だが、いつの間にかライターが消えていた。アパート中を血まなこでさがし廻った二人は、野村が部屋の中でピストルの手入れをしている姿を盗みみた。幸いライターはみどりが保管してくれたものの野村の存在にはアパートの住人も意気悄沈。一方キャバレー「ゴールデン・ウェーブ」では密輸団の東谷一味がライター奪還の方法を練っていたが、ライターは二人がみどりにプレゼントしたあと。この報告をうけた東谷は、みどりを誘惑しライターを手に入れようと計画する。ライターがもとでみどりが密輸団からつけねらわれていることに気づいた佐々と大村は彼女をこの場から逃すべくみどりを求めてアパートへ行く。これを探知した一味もアパートへなだれ込んだ。悪人を迎えたアパート一同は恐怖のどん底に陥ったが、意外、この危機を救ったのは野村だ。悪人一味が血まなこで探し求めたライターの中には密輸のボス香港のジョーとの取引きに必要な切符がかくされていたのだ。彼はこの捜査のため派遣された捜査課のベテラン野村刑事だったのだ。