らぶれたあ(1959)

劇場公開日:

解説

ラヴ・レターをめぐる異色ロマン。松浦健郎の原作を「哀愁の高速道路」の石井喜一が脚色、「青い乳房」の鈴木清順が監督した。撮影は「チャンチキおけさ」の柿田勇、音楽は「青い乳房」の間宮芳生。出演は「東京午前三時」の待田京介、「忘れ得ぬ人」の筑波久子、「西銀座駅前」のフランク永井ら。

1959年製作/39分/日本
配給:日活
劇場公開日:1959年1月15日

ストーリー

突如山々にこだました銃声と、荒々しく飛び立った鳥の羽音にドキリとして空を仰ぐ梢の眼前に、猟銃をさげてぬっと現われた男、それが正男だった。二人は、白樺の道を追いつ追われつ走った。梢が正男と別れて東京へ帰ると、正男からラブレターが来た。それからというもの、梢の机の上には正男の手紙がうず高く積まれていった。手紙には必ず押し花が入っていた。だが、紅葉一葉の手紙を最後に音信は絶えた。--梢は、クラブ・モンプティにピアノ弾きとして勤めていた。支配人兼歌手の福井は梢に惹かれていた。彼は梢に言った。“君はラブレターに他愛なく酔わされている。もし、君たちの気持がラブレターのままだったら君は正男君の傍で暮すんだな”。--梢は森の道を急いだ。銃声がこだまし、山鳥が飛び立ち、ぬっと隆次が現われた。梢は隆次の胸に飛びこんでいった。が、二年前とはうって変った山小屋の模様を、梢は不審に思った。隆次は、こう真相を語った。「僕は正男じゃなく弟の隆次、僕たちは双生児なのだ。兄貴は猟銃の暴発で死んだんだ。書き続けたラブレターに、僕はあなたを恋してしまったのだ。」--クラブ・モンプティの入口に、梢が現われた。福井は梢が山へ行く日、「もう一度クラブに帰ったら僕のところへ帰ったものと思うよ」と言っていたのだ。二人は梢のアパートへ向った。だが、アパートの前には隆次が待っていた。福井は「あの人が正男君だね。いいんだ。……さよなら……」と言って静かに去った。

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