男十九の渡り鳥

劇場公開日:

解説

川口浩が歌って暴れるという娯楽篇で、「弥次喜多道中双六」(東宝)の笠原良三の脚本を、「ごめん遊ばせ花婿先生」の田中重雄が監督した。撮影は「嵐の講道館」の高橋通夫。音楽は「ごめん遊ばせ花婿先生」の古関裕而。「親不孝通り」の川口浩を筆頭に、仁木多鶴子・叶順子・野口啓二・紺野ユカらの若手が出演。

1958年製作/90分/日本
劇場公開日:1958年12月28日

ストーリー

下関の海岸--十九の若さで東京も母も捨てた佐野秀夫は一人物思いにふけっていた。東京のナイトクラブ・ローザのバンドマンで、サックスを吹いていた秀夫は、流行作曲家五十嵐も折り紙をつけた程の作曲の才能を持っていた。だが同僚の山村と一緒にボクサー上りのバンドマスターの柴田と衝突し、恋人の歌手今岡春江を誘ってバンドを飛び出した。それに母と作曲家大崎との再婚問題も原因だった。秀夫と山村はドサ廻りのダンシングチーム・月島陽子一座に加ったが、春江は故郷の父が病気で参加出来なかった。一行は流れ流れて下関にやって来た。マネージャーの今西が金を持逃げしたので、秀夫は土地の興行師黒部に泣きついた。そこではからずも春江と再会した。下関は春江の故郷で、黒部に借金している親父藤介の犠牲になり、黒部の息子篤次との結婚を強いられていた。秀夫は春江を誘って、山村一座の歌手添島の四人で神戸に逃げた。四人は二組のギター流しになって稼いだ。その金で淳一はビクターの新人テストに応募するため上京した。その頃、秀夫達は因縁をつけた愚連隊と大喧嘩をした。危い所を闇屋のチンピラ娘トキに救われ、トキの紹介で神戸のクラブで働くことになった。トキは秀夫が好きになったが、秀夫はとりあわなかった。黒部は秀夫が神戸にいるのを知り、乾分をさしむけた。その頃、神戸に柴田が来ていた。秀夫は春江が柴田に会って三人の仕事を頼んだことを知り怒って下宿を飛び出した。その後春江は黒部の子分達に連行され、待っていた父と一緒に下関に向った。後を追った秀夫は愚連隊にとり囲まれた。助けに駆けつけた柴田も加ったが、秀夫は怪我をした。藤介は車中で父の愛情に目覚め、春江を逃してやった。春江は秀夫の病院にかけつけた。秀夫の作った曲が、東京で演奏された。柴田のタクトでサックスを吹く秀夫。テレビに映る彼の姿を、トキは涙で頬を濡らしながら、みつめていた。

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