消えた私立探偵
劇場公開日:1958年10月19日
解説
日米映画とNTVが警視庁と協力して製作中の犯罪捜査シリーズの第七篇。樫源一郎の原作を、「犯罪地帯を捜せ」の阿部桂一が脚色、中村純一が監督、内田安夫が撮影した。谷幹一・三原悠子の他、新作座座員がそろって出演している。
1958年製作/46分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1958年10月19日
ストーリー
--昼間の海岸に、半裸の死体が捨てられてあった。桃色のパンティとナイロン・ガウンをつけていた。顔は無残に叩きつぶされてある。辺見刑事は、それが証拠いんめつのためと察した。死体の左ももには大きなアザがあったのだ。--パンティに縫いこまれたABCという文字をたよりに、辺見は洋品店へのききこみを続けた。アメリカン・ビスコース・カンパニーの製品と知れた。が未発売のはず。たった一枚、贈答用として人手に渡った。その届け先は探偵事務所の日向という男だった。--彼は不在だった。辺見はその依頼者名簿を調べ、その中の一人・製菓会社社長の沼田に当って見た。彼は不良外国人の陳良永という男の調査を頼んだことがあるという。事務所の娘の口から、辺見は日向が恐喝の常習者であることを知る。日向は陳の弱味を探り、それをネタに恐喝し、共犯の女を消したのか--。辺見はそう判断したのだ。日向のアパートを洗い、彼の情婦のことを近隣で聞きこんだ。女は犬を引とりにアパートに戻ってくるというのだ。その時、日向が殺されたという報せが入った。犯人が被害者だった。辺見はそのままアパートの張り込みを続け、脱獄者・鐘巻が例の犬を連れてきたのを見た。アパートに、情婦・杏子が現れた。辺見はその部屋にふみこんだ。女はすべてを話した。日向が陳を脅迫したこと、女が陳の二号であり、日向を愛してい、彼のために陳の事業の秘密を探ってやったことなどを。杏子の前の陳の情婦の左ももに、たしかにアザがあったという。陳が二つの事件の犯人なのだ。辺見は香港に発つ寸前の陳を捕えるため、江東工業へ向った。銃声が辺見らを迎えた。乱戦。辺見たちが危機におちいったとき、陳はやおら黒眼鏡をはずした。--沼田だった。辺見は一瞬のスキをとらえ沼田を倒した。そのとき、警官隊が到着した。