炎上のレビュー・感想・評価
全3件を表示
浪花節だよ~ん。
当該犯罪が第三者による偏見や差別から生じたと肯定している。正に浪花節になっている。また、女性の男に対する愛情表現も古い概念で語られ、軽薄な女性として描かれている。
悪い友人と偽善者の住職に挟まれ、自分を見失った障害者の犯罪としている。所謂、判官贔屓と言う概念で、
以後、こう言った映画が現在まで伝統の如く残っている。
忠臣蔵の『田舎侍!』と同じ。
『俺のする事は一つしかない、誰もそれを分かってくれない』と演出家は主人公に嘆かせる。しかし、この演出家自身が『分かっていない』と感じる。
アレ!?誰も『金閣寺』って言っていないね。でも、『金閣寺』だよね?
だから、『金閣寺』を知りたくば
やはり、原作を読もう!
この映画で三島文学を語るなかれ。原作には遠くおよばぬばかりか、伝統の古い概念に縛られた浪花節。
彼は自殺なんかしていない。原作でなくとも『生きようと思った』と語るハズだ。そうでなければ、新しく建て替えられた金閣寺は世界遺産になれる訳がない。
汚れた世界 美醜の苦悩 燃え上がる拠り所
Amazonプライム・ビデオで鑑賞。
原作(三島由紀夫「金閣寺」)は未読です。
市川雷蔵の演技がすご過ぎました。眠狂四郎シリーズなどで見せるニヒルなカッコ良さは影を潜め、スターのオーラを完全に消し去って役に徹していた姿勢に感銘を受けました。
青年の孤独―。世界の汚らわしさを知り、唯一の心の拠り所であった驟閣までも金儲けの道具にされ絶望のどん底へ…。
流麗なカメラワークと映像美で青年の心の襞を演出。驟閣炎上のクライマックスは悲壮なれど、とても美しかったです。
美しいものを美しいままに留めておくためには自らの手で葬り去り、その姿を昇華させるしかなかった、と云うことか?
青年の辿った末路含め、心がざわつく作品でした。
青年の声にならない叫びが炎となって金閣寺を燃やす
吃音症で思いを上手く伝えられない青年
彼を取り巻く人々は話を聞こうとしない者ばかり。実の母もお寺の人々も自身の感情をぶつける一方で、誰も彼も自分のことばかり
信頼していた老師も例に違わず
唯一の友人も死んでしまい、同じく身体にハンデを持つ友人(?)もろくでなし
死に別れた父が思い焦がれた金閣寺
「これ以上ない完璧な美」を支えにする青年だったが、それすらも金儲けのために利用されてしまう
純粋な青年の心とは違いすぎる不浄な現実
そして追い詰められた青年は、禁忌を犯す
罪を犯した者がなぜ犯行に及んだか、どういう経緯があったかを描く作品は数多くあるが断トツで良くできている。大傑作
邦画だけでみたらベスト10に入るくらい好き
全3件を表示