旗本退屈男のレビュー・感想・評価
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オールスターと向こう傷
"旗本退屈男" シリーズ第23作。
市川右太衛門三百本出演記念作品。
時代劇専門チャンネルで2回目の鑑賞。
原作は未読です。
市川右太衛門氏の記念すべき作品に東映オールスターが大挙して祝賀出演。息子の北大路欣也もかなりの端役ながら出演していて、父子共演を果たしていました。中でも市川右太衛門氏と片岡千恵蔵氏がひとつの画面で対峙し、斬り合うわけでもなくただ会話を交わしているだけなのに、迫力とオーラが桁違いに強くて、これがスターの貫禄なのかと、圧倒されました。
天下御免の向こう傷が躍動し、仙台藩に蔓延る悪を退治するべく閃く諸羽流正眼崩し。二刀流の「諸羽流飛翼の構え」も登場し、華麗な太刀捌きで繰り広げられる殺陣が圧巻でした。
当時の殺陣は、今の殺陣とは違うと改めて感じました。見栄を切ったり、体運びもしなやかで、血も殆ど出ないし、見ていてとても美しい…。歌舞伎的な動作が美しさの源なのかもしれず、確立された様式美に惚れ惚れしました。
天下御免の向こう傷
朝ドラで主演の深津絵里が額に傷がある女を演じているがその一方で額に傷がある漢と言えば真っ先に思いつくのが旗本退屈男
もちろん演じるのは市川右太衛門
右太衛門といえば旗本退屈男
旗本退屈男といえば右太衛門
映画で旗本退屈男といえば市川右太衛門において他に無し
昭和33年公開
市川右太衛門映画出演300本目記念作品
昭和5年から市川右太衛門主演で始まった旗本退屈男シリーズ23作品目(全30作品)
戦中戦後間もない頃の中断はあれど映画で33年間も同じ役を演じ続けた市川右太衛門の代名詞
原作は『右門捕物帖 』シリーズの佐々木味津三
監督は『七つの顔』『丹下左膳(1958)』『新吾十番勝負』『忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻(1959)』『赤穂浪士(1961)』の松田定次
脚本は多羅尾伴内シリーズの生みの親でもある比佐芳武
将軍綱吉の命令で仙台藩に赴き御家騒動の調査を始めた旗本早乙女主水之介(市川右太衛門)
仙台藩主伊達忠宗(片岡千恵蔵)を引退に追い込み幼い嫡男鶴千代(植木千恵)を毒殺し藩を乗っ取ろうと企む忠宗の叔父伊達兵庫(進藤英太郎)
早乙女主水之介が諸羽流正眼崩しで悪を斬る
仙台藩のお家騒動は幕府に知られることもなく改易は免れ一件落着
船で仙台を後にし江戸に帰る早乙女主水之介とその仲間たち
将軍の命令で仙台にまでやって来た早乙女主水之介
それはわかるが仙台の別邸にまで妹や女中や子分の町人3名がついてくるとかちょっと
賑やかで良いけど
早乙女主水之介サポートメンバー
主水之介の妹・菊路役に櫻町弘子
揚羽の蝶次役に中村錦之助
のっそり弥八に杉狂児
横這いの円太に横山エンタツ
女中おたきに長谷裕見子
易者一念堂一徹に伊東亮英
伊達兵庫一味
忠宗側近の奥山大学に原健策
仙台藩の重鎮原口刑部に山形勲
家来・剣持新七郎に加賀邦男
鶴千代に毒薬を飲ませようとする悪徳医師大場道白に柳永二郎
伊達兵庫には幕府国目付榊原監物(薄田研二)が一枚噛んでいるのがミソ
コメディーっぽい芝居もするが今回いかにも悪役という顔つき
国目付の家来で甲賀忍者のリーダー格甲賀三郎兵衛に大犮柳太朗
同じく国目付の家来で伊賀忍者のリーダー格東千代之介
伊達忠宗側で仙台藩の重臣・松崎文之進に大河内傳次郎
同じく仙台藩の重臣・角倉十太夫に月形龍之介
忠宗を信じ慕う若い武士美濃部新兵衛に大川橋蔵
忠宗の小姓・松内数馬に北大路欣也
腰元・楓に丘さとみ
人身御供のお妙に大川恵子
百合江に花園ひろみ
浅岡に花柳小菊
浪乃に千原しのぶ
その他
おまつに赤木晴恵
市助に團徳麿
秋城平八に里見浩太朗
横田平助に尾上鯉之助
東映京都のオールスターキャスト
出演していないのは中村嘉葎雄くらいしか思いつかない
額の傷だけが個性ではない旗本退屈男
総髪に前髪を垂らす独特の髪型
何度も着替える派手な着物
バカ殿?を演じた片岡千恵蔵の芝居が良かった
市川右太衛門対東千代之介
市川右太衛門対東千代之介&大犮柳太朗
ハラハラドキドキした
山の御大と北大路の御大貴重なご対面
剣劇スターが多く主演するので市川右太衛門だけでなく彼らの見せ場もつくらないといけないから大変
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