花のうず潮

劇場公開日:

解説

「白い炎」の柳井隆雄と馬場当の書き下ろし脚本を、「黒い花粉」の大庭秀雄が監督したもので、撮影も「黒い花粉」の生方敏夫が担当した。「日日の背信」の佐田啓二、「どろんこ天国」の岡田茉莉子、「白い炎」の大木実、高千穂ひづる、「月給一三、〇〇〇円」の田村高廣などが出演。色彩はイーストマン松竹カラー。

1958年製作/91分/日本
劇場公開日:1958年4月1日

ストーリー

野々宮家の当主友一郎が他界し、その子謙作の義母静江と娘の伶子は、秘書の浅井と組んで自分達だけの生活を目論んでいた。謙作は女中の三千代と惹かれ合っていたが、浅井が彼のニセ手紙で三千代を犯し、彼女は暇をとって行った。謙作の親友槙は伶子の婚約者だったが、三千代の件を知ると、浅井に制裁を加え、謙作と共に彼女の行方を探した。青年医師小野は槙の学友で、友一郎の主治医の助手として野々宮家に出入りするうち、伶子に惹かれた。が、小野には恩師広田の娘小夜子という婚約者がいた。広田が娘を伴って上京してき、小野は彼らを案内して東京見物して歩いた。その間も伶子の面影が小野の頭から去らず、テレビ塔の上では、小夜子を突き落す幻想が浮んだりした。謙作は家を出て、陶工の仕事をしながら旅を続けていた。槙の知らせで、三千代があるバーの女給をやっていることを知った。が、彼女にはやくざの情夫田崎がつきまとっていた。謙作は義母から分配された遺産の小切手を彼女に与え、田崎との手切金にさせた。二人は附近の陸橋の上で、久し振りに対面することになった。が、三千代は遂に現れなかった。彼女は汚れた自分を恥じ、自殺を図ったのだった。--小野は伶子と駈け落ちすることになった。その変心を知らされ、広田父娘は驚き嘆いた。同情した槙が小野を責めていたとき、熱海の伶子から電話がかかった。小野が支度に自室へ帰ったとき、小夜子が待っていた。彼女は彼を許すといい、お互いにしっかり生きましょうといった。彼女は、別れを告げに来たのだ。小野の伶子へ傾いていた心がゆらいだ。槙の必死にいさめる顔も浮んだ。彼は熱海行電車をそのまま見逃した。そして、伶子へその決心を告げる電話をした。--三千代は息をふき返した。その枕元には謙作がつき添っていた。--公園で、伶子は槙に会った。彼は彼女を慰めにきたのだ。彼女は彼によりそい、久し振りにその頬に微笑が浮んだ。

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