稲妻奉行
劇場公開日:1958年1月15日
解説
村松道平と「将軍家光と天下の彦左」の内田弘三の共同脚本を、「危し! 伊達六十二万石」の山田達雄が監督し、同じく河崎喜久三が撮影した娯楽時代劇。主演は「危し! 伊達六十二万石」の嵐寛寿郎、「飛竜鉄仮面」の和田桂之助(孝改め)、宇治みさ子。ほかに瀬戸麗子、天知茂、江川宇禮雄、高田稔などが助演している。
1958年製作/72分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1958年1月15日
ストーリー
薩摩藩士達は、己の藩に関する犯罪、訴訟が、すべて問注所というところで裁きをつけ、幕府の役人では手出しが出来ぬことをいいことにして、目に余る所業を重ねていた。浅草寺境内で狼籍の限りをつくした一薩摩藩士を捕えた南町奉行駿河守は、みせしめとその藩士を独断で処刑した。が薩摩藩の強硬な申入れに、水野老中も抗しきれず、駿河守は切腹となった。与力筆頭の大岡忠右衛門は、駿河守の無念を晴らすことを決意した。その頃、薩摩藩では姫君が関白家へ輿入れすることになっていた。そして、その折、土産品として持参する秘蔵の名剣安綱の手入れを刀剣屋相模屋に依頼した。相模屋丹右衛門は、薩摩藩留守居役の佐藤松太夫を料亭に招き、倅の丹七に饗応させた。が、丹七に恋こがれる芸者、おみよに横恋慕した松太夫は、おみよが自分になびかないのを見て逆上、丁度来合せた相模屋の商売敵、三河屋喜八の甘言と金に目がくらんだ。その夜、相模屋から安綱が盗まれた。薩摩藩士は相模屋を不屈者として捕えた。そして、犯人は遊興費に困った丹七の仕業と、彼をもつけ狙った。しかし丹七は、アワヤというところを覆面の武士、実は忠右衛門に助けられ、大岡邸にかくまわれることになった。姫君の婚礼が迫った薩摩藩では、家老島津が水野老中と一札取交した。「期間は十日、奉行所で安綱を見つけ出さずば、老中は腹を切って責任をとる。この間に安鋼が手に入った時は、問注所を撤廃する」というのだ。忠右衛門はその日から相模屋の内部を洗い、番頭彦兵衛が〆香という芸者を囲っていることを探知した。彦兵衛は何者かに殺されたが、〆香から喜八が彦兵衛を彼女の所に連れて来たことを知った。そして喜八を押えたが、安綱はすでに失せていた。遂に最後の日、すべてを諦めた水野は、短刀を取り腹にあてがわんとした。そこへ忠右衛門が安綱を持って飛び込んで来た。事の真相は、浪人秋月典膳が喜八と組んだ金ほしさの悪計で、その手先に彦兵衛と〆香が使われていたのだ。その功績で忠右衛門は、南町奉行大岡越前守を名乗ることになった。