北海道の大自然

劇場公開日:

解説

北海道の大自然を記録した長篇色彩映画。撮影隊の平松幹彦製作主任と松田忠彦、並川達雄の両カメラマンは一昨年十一月から現地で着手、このほど完成したもの。編集構成には「九十九里浜の子供たち」など数多くの社会教育映画の脚本、あるいは記録映画の脚本、監督を手がけている岩佐氏寿が担当した。また学術的な指導協力を、北大の犬飼哲夫教授、道庁林野部の斎藤春男氏、北大農学部博物館の芳賀良一氏、農学博士内田清之助氏、教育大学の下泉重吉教授(動物学)、東大の原寛教授(植物学)に仰いでいる。色彩はイーストマン東映カラー。

1957年製作/37分/日本
原題または英題:The Nature of Hokkaido
劇場公開日:1957年10月29日

ストーリー

北海道の春。知床半島の沖で流氷がゆるみはじめ、雪の間からヤチブキ、福寿草が顔を出す。ソビエト領の見える知床岬の風船岩ではトドが群り、つづいてカモやカモメが来る。春の海鳥を見るためには日本海側の天売島がよい。ウミネコはじめ無数の鳥たち、ウミガラスは天然記念物だ。夏--。大雪山は高山植物につつまれる。ツグミ科の小鳥、ノゴマのめずらしい巣、ヒマラヤと同種のナキウサギが鳴いている。シマリスもめずらしく、七、八十貫もある熊も元気だ。秋が終る頃になると根室に近い風蓮湖にはオオハクチョウがやって来る。冬をすごすためだが、冬は高い山々の雪から、次第に近くなる。山肌をはしるシカ、紅葉した林のキツツキ、美しい羽根のカケス。網走に近いサロマ湖では、アザラシ(トッカリ)の群を見た。冬は吹雪が湖上をはしり、再びオホーツク海に流氷がやって来た。北国の大自然は静寂そのものの中に、新らしい春の来るのを待っている。

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