初恋物語(1957)

劇場公開日:

解説

源氏鶏太の原作を「生きている小平次」の井手俊郎が浅川清道と共同脚色し、「山鳩」の丸山誠治が監督、同じく鈴木斌が撮影した。主演は「夜の蝶」の山村聡、「夜の鴎」の新珠三千代、新人林剛彦。ほかに夏川静江、田中春男、中村是好、大塚国夫など。

1957年製作/68分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年9月15日

ストーリー

東京木材工業株式会社の社長雁丸昇平は、かつての恋人富崎花子から、高校生の桃色決闘事件で停学処分を受けた彼女の一人息子昇助に意見してくれという旨の手紙を貰い、六年ぶりに故郷の土を踏んだ。ところがそれは思春期にある少年の純真な恋愛事件にすぎないと判ったが、昇助が母の前身が芸者だということにこだわっているらしいので、昇平は海岸へつれ出して思い出話を聞かせた。--夏のある日、十七歳の昇平は海へ泳ぎに出かけた帰り、五つも年上の芸者雪千代と知った。寄宿舎生活の昇平はその日以来、毎土曜日に雪千代を訪れ、大福餅をご馳走になるのが何よりの楽しみであった。学期試験の最終日、ひどく待たされた昇平は腹立ちまぎれに、酒に酔って帰ってきた雪千代の黒髪を鋏で切ってしまった。芸者屋のおやじに六カ月分の花代を払えとおどかされた昇平は、雪の降る中を悄然と帰宅した。事情を知った昇平の母は雪千代の前借を全部払ったが、その代り昇平は二度と彼女と会わないと約束させられた。その後、雪千代は雁丸家で女中代りに働いていたが、昇平の母の世話で他家へ嫁ぎ、昇助を生んだのである。--昇平が語り終ると、昇助は明るくうなずいた。帰りの汽車の中で、昇平は花子が昇助に託した包みを開けると、それは大福餅であった。昇平の頬に微笑がうかんだ。空には白い雲がぽっかりぽっかり浮いている。

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