美男剣競録
劇場公開日:1957年8月27日
解説
金田光夫のオリジナル・シナリオを「角帽と女子大三人娘」の赤坂長義が監督、「怪談本所七不思議」の鈴木博が撮影した。主演は「海女の戦慄」の天城竜太郎、これが新東宝入社第一回出演の中村竜三郎、「風雲天満動乱」の日比野恵子、「怪談累が淵(1957)」の丹波哲郎。ほかに竜崎一郎、江川宇禮雄、松浦浪路、万里昌代など。
1957年製作/72分/日本
劇場公開日:1957年8月27日
ストーリー
時は新しい時代への胎動を思わせる物情騒然とした維新前夜。千葉周作の一子、千葉栄治郎と、斎藤弥九郎の一子、斎藤歓之助とは日頃から事ごとに張り合っていたがふとした事から二人には肉親以上の友情がめばえ、益満休之助の新しい時代建設への熱意に動かされ、日夜、江戸中を荒し廻る旗本一味の稲妻組に対決すべく決意を固めるのだった。その頃、江戸の闇に跳梁し、市民を恐怖のどんぞこにおとし入れていた“御用党”と名乗る一党がいた。栄治郎と歓之助は、益満休之助と、実は薩摩藩士中村半次郎の仮の姿、花川戸藤兵衛から尊王倒幕に参加して貰いたいと懇望された。しかし、江戸市中を荒し廻る御用党が薩摩藩の仕業であると聞き、栄治郎としてはどうしても承服出来なかったが、やがて稲妻組の偽御用党の悪業と知るや二人は敢然として加担を申し出る。折しも藤兵衛宅に稲妻組が押しかけ、娘のお三輪、お絹をさらったという知らせに、一同は愕然として飛び出してゆく。稲妻組の首領本多玄蕃の邸は修羅の巷と化した。二人の豪剣は火花を散らして敵をなぎ倒して行く。そして一同は薩摩藩の邸に脱出する事が出来た。町方では一同を、御用党一味として薩摩屋敷に押しかけるが、「島津上屋敷」の門標の前では上意なくしてはどうにもならず口惜しがった。遂に意を決した江戸城内では老中の評議で、薩摩屋敷に赴き、上意をもって罪状を詰問することになり奉行の采配で押しかけるが、それより一足先、益満休之助のはからいで、栄治郎と歓之助は江戸を後に倒幕完遂のため京に上る。二人は途中に待ちかまえた稲妻組と渡り合うが、鉄砲の危機を千葉周作と斎藤弥九郎の助力で救われた。薩摩屋敷の方では殷々たる砲声が響いている。二人はそれを背に、馬上にまたがり、一路品川沖へ向った。