股旅男八景 殿さま鴉

劇場公開日:

解説

子母沢寛の『松五郎鴉』の映画化。「鞍馬天狗 御用盗異聞」の結束信二が脚色、「多情仏心」の小沢茂弘が監督した。撮影は「源氏九郎颯爽記 濡れ髪二刀流」の松井鴻。主演は「隼人族の叛乱」の市川右太衛門、長谷川裕見子、「抜打ち浪人」の花柳小菊。ほかに月形龍之介、加賀邦男、進藤英太郎など。

1957年製作/89分/日本
劇場公開日:1957年6月10日

ストーリー

一本どっこの旅鴉だが、どんな親分にも引けをとらぬ、人呼んで殿さま鴉の松五郎は久し振りに故郷の伊那へと足を向けた。途中、鈴掛の宿で役人に追われている矢車の郁造を助けた。郁造は念仏弥十郎一家の者で、縄張り争いに駒鳥の親分を斬ったため捕えられたのを、牢を破って逃げて来たという。郁造をかくまってやった彼は、大伊那近くで喧嘩支度の伯父大伊那の文三郎一家に出会った。二足の草鮭を笠に着る念仏一家の縄張り荒しに、殴込みをかけるのだという。いざこざの嫌いな彼は、文三郎をなだめて引返させた。ところが、郁造の女房お常から弥十郎の悪事を聞いて、彼の怒りは燃え立った。弥十郎は、お常に横恋慕し、邪魔者の郁造に駒鳥殺しの因果を含めて旅立たせた上で、岡村屋辰吉にお縄をかけさせたというのだ。駒鳥殺しの真犯人を探そうと、彼は辰吉を鋭く追及した。良心の苛責に辰吉は善心に立返った。だが、その二人を弥十郎一家はバラそうと襲ったが、彼の腕には刃が立たなかった。我慢に我慢を重ねて来た松五郎も、度重なる弥十郎一家の悪事をみて遂に勘忍袋の緒を切った。中伊那の川祭り、賑やかな祭囃子を我世の春と諸国の貸元を集めて賭場を開いていた弥十郎のもとに、喧嘩支度に身を固めた殿さま松五郎が単身粟込んだ。彼を迎え討ったのは用人捧大内左文次。実は、駒鳥を斬ったのは、この左文次なのだ。松五郎奮迅の刃に、左文次はついに倒され、弥十郎も辰吉の十手に捕えられた。ところが、さすがの松五郎も伯父夫婦のキモいりで、辰吉の娘お夏を嫁にとの話には、手もなくテレて、慌てて筏にとび乗ると天竜を下へ--。その筏を追ってお夏を乗せた駕籠が、やがて白いしぶきの彼方に消えて行った。

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