花まつり男道中

劇場公開日:

解説

関八州遊侠列伝として、シリーズ風に発表する長脇差もの第二作、“赤尾の林蔵”の物語。脚本は「恋染め浪人」の結束信二、監督は「怒れ! 力道山」の小沢茂弘、撮影は「ふり袖捕物帖 若衆変化」の松井鴻。主な出演者は「旗本退屈男 謎の紅蓮塔」の市川右太衛門、「任侠清水港」の高千穂ひづる、「恋染め浪人」の長谷川裕見子、月形龍之介の他、千田是也、岸輝子、原健策、阿部九洲男、永田靖のヴェテラン陣。漫才のAスケBスケ、内海突破、清川虹子らも顔を揃える。

1957年製作/88分/日本
劇場公開日:1957年1月29日

ストーリー

武州赤尾村。年に一度の花まつりに賑う赤尾八幡の境内も百姓上りの素人やくざ赤尾村の林蔵の努力で賭場一つなく、平和な色に包まれている。だがやくざ嫌いの母親お繁に大の親不孝者呼ばわり、林蔵は子分勘八共々ほうほうの態で逃げ出すが、互いに憎からず思う三本松の吉兵衛の一人娘おもんとばったり出逢う。ところが吉兵衛は、観音の鉄五郎と通じ三本松の縄張りを狙う旅人不動の仙吉にそそのかされ、祭りの賭場拡張にと赤尾八幡に乗込む。さはさせじと対峠する観音一家。制止しようとした林蔵は吉兵衛を崖下に斬り落してしまい、おもんとも今は仇同士の身、きずなを断って草鞋をはく。父のむくろを前に思い乱れるおもん。流転の旅も二年は過ぎ、鉄五郎に頼まれたと斬り掛る浪人者を倒した林蔵は、意外にもおもんに再会。吉兵衛亡きあと鉄五郎に縄張りを奪われた上、妾になれとの強談判という。だが吉兵衛が竹槍で殺されたと開いた林蔵は自分の科でなかったと喜びつつ赤尾へ向う。代官梶川玄蕃に取入り、二足の草鞋で横暴の限りをつくす鉄五郎。花まつりの賭場開きに諸国の親分衆も集う処へ乗込んだ林蔵は、吉兵衛を殺したことまで鉄五郎の悪業をアバき、長ドスで斬り捨てる。存分になすって、と首をたれる林蔵も親分衆のとりなしで青天白日の身となる。平和な赤尾の花まつりは甦り、ほとぼりを冷すべく旅に出る林蔵の傍らには、同じく旅姿のおもんが寄り添っていた。

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