劇場公開日 1956年9月19日

「 世界大戦前夜、日中戦争の最中だというのに、現代のような平和なサラ...」兄とその妹 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 世界大戦前夜、日中戦争の最中だというのに、現代のような平和なサラ...

2018年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 世界大戦前夜、日中戦争の最中だというのに、現代のような平和なサラリーマン社会を描いている。ロンドンの会社にも取引があるようだし、なぜだか時代が感じられない。間宮の家は彼の妻と妹の3人暮らし。妹は外では現代的なキャリアウーマンのような雰囲気。兄に対してもはっきりモノ言う元気のいい娘。誕生会で女学校時代の友だちと歌を歌ったりするシーンで、兄嫁は一歩引いてうらやましそうに眺めている。

 文子をもらいたいという重役の甥(上原謙)。オックスフォード出のやり手だ。機会をうかがい、箱根にピクニックに行って縁談をもちかけてみる。「兄が後ろ指さされるような結婚はしない」と、ちょっと考えさせてくださいと答える。そんなとき、経理部の林部長が間宮に対して「競馬狂いだということを告げ口しやがったな?」と殴り合いのケンカになる。全ては重役に取り入ってることが原因だった。しかし、他人の中傷なんてしない真っ直ぐな男である間宮。直情的に辞表を叩きつけた。殴り合いのシーンは迫力満点。本当に殴ってたように思う。

 またまた就職浪人になるところだったが、保証人になってくれた知人(笠智衆)の仕事を手伝うことになった大陸へと向かう。その仕事が成功するまで妹の結婚はお預けとなった・・・

 碁のシーンでは先読みの考えを映像化しているのが面白い。

kossy