野郎ども 表へ出ろ
劇場公開日:1956年8月15日
解説
平和なホテルを舞台に、そこに押入った銀行破りと善良な人々との死斗を描く異色ギャング映画。「魔の花嫁衣裳 (前後篇)」の高岩肇のオリジナル脚本を「宝島遠征」の小林恒夫が監督、「満ちて来る潮」の西川庄衛が撮影を担当した。主な出演者は「逆襲獄門砦」の片岡千恵蔵、「白い魔魚」の高峰三枝子、久方振りの早川雪洲、「満ちて来る潮」の南原伸二、「泣き笑い土俵入り」の星美智子、「旗本退屈男 謎の幽霊船」の山形勲、他に植木千恵、多々良純、杉狂児など。
1956年製作/79分/日本
劇場公開日:1956年8月15日
ストーリー
帝都銀行に押し入った岡島、坂口、林、久保の兇悪ギャング団は守衛とパトロール警官を射殺、二千万円の現金を奪い逃走した。一味の落ちあう場所、岬ホテルには絵筆を持つ中年紳士安部や、かっての歌姫で今は失意に沈む入谷冴子が滞在。事件の翌日、さらに愛人岡島を待合わせる女川井芙美と、やくざの争いからホテル経営者高見慎吾の息子慎二を殺害、刑務所入りしたが更生を誓って出所した田村鉄太郎が訪れた。やがてギャング四人が相次いで到着。鉄太郎が慎吾に過去を詑びている時、慎吾の孫娘マリ子の過失から首領安部を始めギャング一味は正体を現わしホテルの一同を禁錮。彼等は沖合に碇泊する船を奪い外国へ高飛びするのが目的である。一同の恐怖にも鉄太郎は無表情。逃れんとしたボーイは安部に射殺され、折から訪れた燈台の通信員加藤に連絡しようとする鉄太郎の苦心も安部の妨害で不成功。遂に村の巡査大庭までが機関銃で射殺されるのを見た冴子は安部を面罵。彼は鉄太郎に拳銃を投げて勝負を挑むが弾ナシと知る鉄太郎は拒む。堪えられなくなった芙実は岡島に逃がしてと哀願。安部の怒りを買い熱湯を顔に浴びて卒倒。鉄太郎の旧友林は妻子恋しさから札束入りの鞄を持ち逃げようとする処を安部に見つかる。間一髪、林と実弾入りの拳銃をスリ換えた鉄太郎が現われたが、安部はマリ子を人質に鉄太郎と林を断崖へ連れ出し拳銃を乱射。安部を殺そうとした芙美も、彼の拳銃に落命。だが一味と入江のランチに乗った安部の前に鉄太郎が現われマリ子を奪い返す。彼は疾走する船上で乱斗の末久保と坂口を倒す。安部は隙をみて卑怯にもマリ子を狙うが改心した岡島の体当りで彼と組み合ったまま海中へ。鉄太郎はマリ子を抱いて、慎吾と冴子の待つ岸辺に向う。