花笠太鼓
劇場公開日:1956年8月14日
解説
小説倶楽部所載、陣出達朗原作“江戸の三四郎さん”の映画化。脚色は「続二等兵物語 南方孤島の巻」の安田重夫、監督、撮影も同じく福田晴一、片岡清のコンビ。主な出演者は「伝七捕物帖 女狐駕篭」の高田浩吉、「大暴れチャッチャ娘」の江利チエミ、「続二等兵物語 南方孤島の巻」の花菱アチャコ、伴淳三郎、伊吹友木子、「漫才学校 爆笑八人組」の片山明彦、蝶々・雄二、Aスケ・Bスケ、「怨霊佐倉大騒動」の中山昭二など。
1956年製作/104分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1956年8月14日
ストーリー
初夏の江戸。唄の巧い三四郎は盲目の母親おくらと長屋暮しで仕出し屋“八百鶴”の出前持をしている評判の孝行息子。左官屋を嫌って家出した兄長次郎は、やくざ山下の権蔵の三ン下に成り下っている。三四郎は仕出しの途中、豪商鳴海屋文左街門の娘お千代の花簪をスッた浮浪児えりっぺを捕える。文左衛門は彼の気ッぷに感心、三四郎を彼を慕うお千代の婿にと考える。三四郎は弟分半次の知らせで長次郎のいる飲み屋トン平へ。だが長次郎は酌婦おはるの心配もよそに三四郎のいさめを聞かない。落胆した二人は帰途又もや通行人の財布をスルえりっぺの浮浪児一味を目撃。化物稲荷の巣窟に赴くが、権蔵が手下蝮の大八を通じ盗みの上前をとっていると知り、鶴吉に給金を前借し子供等に楽器を贈る。あくまで反抗を続けるえりっぺも、幼い頃別れた父親を探す身の上と知った三四郎は協力を決意。だが行水させようとした時、えりっぺが女であるのに気づいて驚く。権蔵は以前から手先の岡っ引七軒町の太十に、行方不明の娘を探させていた。こうした折、大八ともめた長次郎ははずみで彼を殺してしまう。三四郎は責を引受けて牢入りとなる。一方権蔵は文左衛門にお千代をよこせと強談判。傍らニセ証文で八百鶴を乗っ取る。心痛の余り倒れた鶴吉はえりっっぺの介抱で三四郎の家へ。長次郎の借金のカタにおくらを連れ去った南蛮吉に、えりっぺは奉行石出帯刀の許へ駈けこみ訴え。無実の罪が晴れた三四郎は八百鶴で洗濯女をしているおくらの前で長次郎を改心させ、お千代を拐った権蔵一味と大乱斗。えりっぺの実父と判った権蔵も太十との一件で召捕り。今は娘姿に戻り父の罪減しに旅に出るというえりっぺは三四郎のいさめで思い止まり盆踊りの櫓で大合唱。見物には堅気に戻った長次郎とおくらの姿も見られた。