七つの顔の銀次

劇場公開日:

解説

『小説新潮』所載の川口松太郎の小説から「醉いどれ二刀流」の犬塚稔が脚色、監督は「丹下左膳 丹下左膳 こけ猿の壷」の三隅研次が当っている。撮影は「潮来出島 美男剣法」の竹村康和、音楽は「母を尋ねて幾山河」の飯田三郎の担当。出演者は「伊太郎獅子」の長谷川一夫、「丹下左膳 こけ猿の壷」の高峰三枝子、「愛すればこそ」の香川京子、「川のある下町の話」の根上淳、「千姫(1954)」の峰幸子など。

1955年製作/88分/日本
劇場公開日:1955年2月12日

ストーリー

三年前掏摸渡世から足を洗って、今は堅気の仕立屋になっている銀次の許へ、以前の親分の死後落目の笹安一家を盛り返すため、銀次をお新の婿に迎え、二代目を継いで欲しいという話があった。先代の恩義ありとは云え、一旦堅気になると心に誓った銀次はすげなくこれを断った。しかしながらかつての弟分清次郎が再びお新の許に舞い戻っているのを見ると淋しい思いだった。銀次の家に通う町娘たちの中で、宮内省の官吏の娘住江京子には、彼もひそかに心を寄せていたが、前科持つ身の悲しさで諦めていた。そんな頃、顔見知りの国武刑事から出頭を命ぜられた銀次は、畠中署長から、もう一度昔の掏摸に返って、盗まれた陛下御下賜の金時計を取り返してほしいと依頼を受けた。もしその品が海外へでも出れば盗まれた当人も生きていられないだろうし、又その人こそ銀次のひそかに愛する京子の父と知ると、銀次もあれほど固く禁じた掏摸の技術をもう一度だけ使うことにしたのである。間もなく、横浜居留地のホテルに背広姿の銀次が現われ、外国人たちの金時計を物色し始めたが、それをかぎつけたお新は、堅気の筈の銀次が笹安の縄張りで仕事をするのを仁義に外れたこととして銀次に迫ったが、彼は事情を釈明し後日如何なる制裁でも受ける覚悟だと云い切った。お新は銀次を再び迎え入れる希望を抱いて、一家の者に手分けしてその時計を探させることにした。笹安一家の利け者あざみの吉五郎は、かねてより銀次を憎んでいたので、彼を妨害しようとした。お新はやっと手に入れた金時計を餌に銀次を笹安一家に引き入れようとしたが拒絶され、而もその後それを吉五郎に奪われてしまった。銀次はそれを追い、横浜で外国人に売られた危機一髪のところを怪我しながら取り戻した。病床の彼に感謝の眼を投げる京子。そして銀次はお新に仕立屋の女房になってみないかと云うのだった。

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