緑の仲間

劇場公開日:

解説

毎日新聞に連載の小説を「かくて夢あり」の猪俣勝人が脚色し、「知らずの弥太郎」の森一生が監督、「花のいのちを」の渡辺公夫が撮影する。音楽は「どぶ」の伊福部昭である。出演者は「浅草の夜」の根上淳と若尾文子「愛」の森雅之、「知らずの弥太郎」の山根寿子、その他東野英治郎、直木明、八木沢敏など。

1954年製作/93分/日本
劇場公開日:1954年8月18日

ストーリー

青戸は蒙古から引揚げた後、かっての友人や部下と様々の事業をおこしたが、その資金の事から汚職問題にまきこまれそうになる。彼の出資で喫茶店オリオンを経営する安芸子は、亡夫が外地で青戸の親友であった。彼女は心から青戸を愛しているが、彼はいつも冷静な態度を崩さない。オリオンの常連である新関記者高津逸平は、政界の大物佐山と青戸の関係を探るうち、佐山の娘那津子と知り合う。那津子は中年の青戸に興味を持っているが、本当は逸平を愛していた。青戸は東京の生活に疲れると、瀬戸内海にある故郷の小島に帰り、親友の鎬木村長宅で静養するのが常であった。汚職問題が発展しそうなのを知った安芸子は、心配の余り島に彼を訪れたが、又も青戸は冷静であった。再び出京した彼は、問題の金で事業を営む興安物産や料亭黄塵の主人までが、窮している自分に冷いのを知り、人生は人間信頼の上に立つという日頃の信念さえ疑いたくなる。が安芸子は店を売っても彼につくそうとした。一夜雨にぬれて発熱した彼を、那津子は徹夜で看護したが、逸平は二人の間に醜関係ができたと誤解する。然し青戸は真実を説いて二人を和解させた。汚職は青戸の脅迫罪だけですみそうになる。島で成り行きを待つ彼の許へ、安芸子は再び訪れた。青戸は初めて彼女の愛を心から受入れる。

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