鉄火奉行

劇場公開日:

解説

衣笠貞之助が「花の長脇差」に次いで監督する映画で、毎日新聞連載の夕刊小説を、衣笠が「伝七捕物帖 刺青女難」の柳川真一と共同で脚色した。撮影も「花の長脇差」と同じく竹村康和、音楽は「女の暦」の斎藤一郎である。長谷川一夫が「知らずの弥太郎」に次いで主演し、「かくて夢あり」の島崎雪子、「女の暦」の香川京子、「関八州勢揃い」の大河内傳次郎、「怪猫岡崎騒動」の坂東好太郎、「伝七捕物帖 刺青女難」の柳永二郎、「かくて夢あり」の小堀誠等が助演している。

1954年製作/97分/日本
劇場公開日:1954年8月11日

ストーリー

江戸北町奉行所の与力笠井平左衛門は、役所で同役二人を殺害し自らもその場で切腹した。妻もこの報せに自害し、一子小平太は事件の原因をつきとめようとするうち、家は断絶の上に江戸追放の命が出た。福井町の目明し重五郎は小平太を娘加代の養子と偽って家にかくまった。新任の北町奉行遠山はこの事件には裏があると秘かに目をつける。遊び人に姿を変えた小平太は、亡父が深川の料亭で口論した事を聞き、その席に出た芸者お高から何かを探ろうとするが、彼女はお座敷の事は一切口外しないと断った。しかし材木問屋大徳が事件に関係があると見た小平太と重五郎は、彼の座敷を張りこんでいるうち、旧友脇坂が意外にも大徳一味の用心棒らしい事に気がついて驚く。その夜大徳の仲間らしい人夫頭坊主松が作業員らに袋叩きにあった時、重五郎は捲きぞえを食って負傷し、怪しい乞食僧に助けられる。遠山は小平太を検挙したが、乱心者として釈放した。深川八幡宵宮の夜、甲府金山見廻り役加藤六左衛門は、鳥居の用人杉田外記の命をうけた脇坂に殺される。通りかかったお高も脇坂の刃にかかろうとした時小平太は彼を水中につき落して彼女を助けたが、自分は重傷をうけお高の家で養生する。数日後知らせを聞いてかけつけたお加代を見て、お高は改めて小平太への愛情に気づくのだった。左衛門尉は甲府へ密使をやって事情をさぐる。その間、秘密を知る谷山も脇坂に殺されたが、ついに杉田等は甲府の金を材木にしこんで入手していたことが分る。乞食僧はかって甲州でそれを知ったため、谷に投込まれた山主だった。大徳は捕われお高は誤って脇坂の刃を受け、小平太に抱かれて死に、脇坂は小平太に斬られた。遠山に言いつめられた鳥居は自分の手で杉田を斬って一切は終り、小平太は仕官の勧めも辞してお加代の許に帰った。

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