旗本退屈男 どくろ屋敷
劇場公開日:1954年1月3日
解説
佐々木味津三原作の“旗本退屈男”シリーズの一で、中山文夫の脚色から「鬼伏せ街道」の松田定次が監督した。撮影も「鬼伏せ街道」の川崎新太郎、音楽は「逆襲!鞍馬天狗」の高橋半である。主演は「愛染道中 男の血祭」の市川右太衛門で、「朝霧(1953)」の宮城千賀子、「日輪」の高千穂ひづるなどが共演する。
1954年製作/89分/日本
劇場公開日:1954年1月3日
ストーリー
江戸市中に娘拐いの怪事件が続くと目明し伝六に訴えられた退屈男主水之介は、妹菊路とその恋人京弥を囮に犯人一味を誘き出し、指揮をとる覆面の武士を取押えたが、何者かが手裏剣を飛ばしてその武士を殺害した。翌日、主水之介は見知らぬ娘に、兄の仇と斬りつけられ取って押えたが、それは昨夜死んだ武士大河原源一郎の妹静江だった。彼は自分が犯人でない事を説きあかして帰らせた。大河原は龍造寺の藩家老役である。主水之介は老中酒井を訪れ密かに篭造寺家内情探索の使命を受けた。そして六郎左衛門に会見したが、何故か彼と静江はこの事件から手をひいてくれと哀願するだけだった。その頃、品川には幕府御用と称する唐人船が入港していたが、船長陳と龍造寺藩の西崎との密談を盗み聞いた伝六は、陳は海賊であって、西崎と結んで同藩の財宝を狙っているのを知る。一方、六郎左衛門は主水之介を招き、藩主長門守の難病を治すため玄庵と西崎に勧められ、処女の生肝をとるため娘拐いの悪事を働かせたと打明け、蔭腹を切って命を絶った。その夜、主水之介の留守を狙った一団が菊路を拐って髑髏屋敷に消える。主水之介に非行を責められた長門守は、後事を彼に托して自害した。そして主水之介の働きによって、西崎と陳は命を奪われ、拐われていた娘たちも無事に救い出された。