黒帯嵐
劇場公開日:1953年11月3日
解説
読切読物倶楽部に連載された甲斐克彦の原作を、「砂絵呪縛(1953)」の八尋不二が脚色、「木曽路の子守唄」の加戸敏、武田千吉郎が監督、撮影にあたった。「血闘(1953)」の三田隆、「怪談佐賀屋敷」の伏見和子、「坊っちゃん(1953)」の藤間紫、「地獄門」の小柴幹治、千田是也、「続砂絵呪縛 雪女郎」の杉山昌三九などが出演している。
1953年製作/84分/日本
劇場公開日:1953年11月3日
ストーリー
柔道勃興期のこと。変死した野々村清司二段の後任として練道館延岡支部へ赴く秋葉兆一郎三段は、途中、延岡の旅館主幸兵衛と娘八重に知り合った。延岡に着いた秋葉は故人の恋人芸者のお歌と会い、野々村は土地の勢力者黒岩与平と柔術家の志殿兵介により殺されたらしい事を打ち開けられた。お八重に思いを抱いていた兵介は黒岩と語らって、日増しにお八重と親しくなってゆく秋葉をも亡き者にしようと謀り、先ず用心棒の保科大五に不意討ちをさせるが、大五は苦もなく川に叩き込まれた。土地の練道館の門人村上巡査は、かつて野々村殺害の容疑者兵介を逮捕しようとして証拠不充分のため黒岩に阻まれたことを秋葉に訴え、ここに秋葉は彼と協力して真犯人追求の決意を固めた。折しも黒岩は北九州の柔道大会を開催した。秋葉を兵介と対戦させ邪魔者を一掃する魂胆だった。お歌は黒岩の座敷に出て何時になく愛嬌を振りまいてその歓心を迎えたが、突然現れた山犬のような青年は、お歌を罵り、群がる用心棒を唐手で蹴ちらして消え去った。試合当日兵介は例の青年を野々村の弟と見抜きこれを破るが、優勝戦で秋葉に投げられた。祝盃に酔う秋葉に路上で再勝負を挑んだ兵介はステッキで秋葉を乱打し、お歌に介抱されるが、これを見掛けた八重は失望して父から迫られていた縁談を承知した。実はお歌は黒岩の歓心を買いながら野々村殺しの確証を探っていたのであり、野々村殺しの確証を掴む事は出来たものの、兵介に掴まって海岸の絶壁の上で締め殺されようとした。駈けつけた秋葉は兵介を断崖から突き飛ばした。事件はここに解決し、道場一杯門弟を集めた練道館の井戸端では秋葉の新妻お八重が洗濯に忙しかった。