紅椿

劇場公開日:

解説

キング・レコードとの提携作品である。「恋人のいる街」の中江良夫の脚本を、「街の小天狗」の吉村廉が監督し、「黒豹」の渡辺公夫か撮影にあたった。音楽は「続々十代の性典」の飯田三郎。「続々十代の性典」の船越英二、「血闘(1953)」の沢村美智子、「地の果てまで」の木村三津子、見明凡太朗などの他、近江俊郎、江利チエミ、津村謙、春日八郎、三条町子、高英男等、キング・レコード所属歌手が出演している。

1953年製作/81分/日本
劇場公開日:1953年11月10日

ストーリー

由利浩一と戸川水枝は「おしどりコンビ」として売出し中の新進歌手だ。水枝はステージのつながりをこえて浩一に愛情を抱きはじめるが、彼は作曲家志望の月村秋子を愛し、結婚する。失意の水枝は、ひとり唄の勉強にフランスへ去った。新婚旅行の途次自動車事故に遭い、胸に強烈な打撲傷を負った秋子は、それより妻とは名のみの療養生活に専念せねばならなかった。その磋跌は浩一の歌にもひびき、あせるほどに失敗つづきで、結果は経済的な窮迫をも呼ぶ。彼は自棄酒に親しむようになり、秋子の苦しみは大きかった。一年を経てパリから帰った水枝は、彼の苦境を知り、協力をちかう。再び「おしとりコンビ」の唄が街々にながれ、浩一はスランプを脱した。相携えて二人は地方公演の旅にのぼったが、留守中新聞に報じられた曰くありげなゴシップ記事が、秋子の心を衝撃する。旅から帰った浩一は相かわらず優しかったが、自分がいては彼の出世の邪魔、と覚悟した秋子はひそかに姿を消した。彼女が山の牧場を経営する義兄三谷の許に身を寄せているのをつきとめた浩一は、唄も名声もかなぐり捨てて牧場に向う。しばらくは夢のような日々が過ぎたが、三谷の強意見で浩一は心を残しつつ山を去り、秋子は夫の仕事を助けたい一心で病躯を作曲に打ちこむ。その曲「君忘れじのエレジー」が浩一によって唄われる日、秋子は危篤に陥った。妹チーコの知らせでそれと知った浩一が涙でうたう自作のメロデイを、枕頭のラジオにききながら、秋子は息を引きとった。

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