女だけの心

劇場公開日:

解説

「花嫁花婿寝言合戦」でデビュした新人田畠恒男の第二回監督作品。製作は「大学の龍虎」の田岡敬一、脚色は「処女雪」の柳井隆雄である。前作でのコムビ平林孝三郎がキャメラを担当し、「初恋おぼこ娘」の若杉英二、大船映画初出演の千秋みつる、新人渡規子などの他小園蓉子、草間百合子、有島一郎、吉川満子、三井弘次などが出演する。

1953年製作/44分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1953年4月1日

ストーリー

一瀬孝作は善良で世話ずきな紳士だが、妻けい子は猜疑心のつよいヒステリックな女である。夫の親友宇野が姿をみせても、そのアルコールずきを嫌って満足に挨拶すらしなかった。孝作が長女公子と一緒にするつもりで育てた養子修一も、成人するにつれ、このような義母と折合わなくなった。彼は優しい公子は愛していたが、結婚、そして一瀬家の跡目をつぐとなると躊躇を感じるのである。たまたま公子とは逆に勝気一方の次女春江が、孝作、修一--二人が二人ながら見知らぬ女と歩いていたことを暴露し、逆上したけい子は鋭く孝作を問いつめる。が、その実孝作は出版事業で失敗しかけているけい子の兄正宗と、愛人の和田たまとの別れ話をとりもつたばかりである。正宗の事業の失敗はまた、これに相当投資していた孝作の命とりにもなりかねなかった。兄の口から事情を知ったけい子は、夫にじぶんの非を詑びる。他方修一は、春江やけい子の冷たい難詰に心を刺され、家を出た。その置手紙で、過日春江が見とがめた修一の連れの女性は、実の妹章子であることがわかり、一同は軽率をふかく悔いた。春江が公子をしょっぴくようにして修一兄妹の連戻しに出かけた後、宇野が微醺を含んで飄々とあらわれる。人が変ったようなけい子の快い応接ぶりに彼はかえってどぎまぎするが、やがて彼の尽力で問題の出版の権利がわりのいい値に売れたことをつげた。やがて修一らが立ちもどれば、一家の心配事もみんななくなるわけである。

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