一等社員
劇場公開日:1953年1月3日
解説
「丘は花ざかり(1952)」の藤本真澄が製作したおなじみサラリーマン映画。源氏鶏太の短篇『一等サラリーマン』『社員食堂開設』を「次郎長売出す」の松浦健郎が脚色し、「明日は日曜日」の佐伯幸三が監督に当った。撮影は「サラリーマン喧嘩三代記」の鈴木博である。森繁久彌、小林桂樹、伊豆肇、島秋子と「三等重役」以来のレギュラアをならべ、加えて「港へ来た男」の小泉博、田代百合子、宝塚の八千草薫が出演している。
1953年製作/84分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年1月3日
ストーリー
人生勉強とやらの目的で風のように上京した気ままな大阪娘、社長令嬢たか子を迎えて浪花産業東京支店では、支店長天栗はじめ、自他共に許す一等社員-チャッカリ型の林、モッソリ型の伊東などがそれぞれあわただしい反応を示す。林は恋人、秘書課の品子さんとの約束を擲っても令嬢の買物のお供。伊東は郊外の自転車ハイキングに令嬢と行を共にするが、途中競輪選手の練習につられて大力走、彼女をおいてけぼりにしてしまう。令嬢を自宅に預かった支店長は、彼女が本と首っぴきの自称フランス料理に連日胃薬を愛用する身となった。彼はいうところの義侠心から、盲腸炎に罹った料亭の仲居お春の入院費を貢ぎ、以来女につけこまれて音を上げている。二号志願の念急なあまり、当のお春が自宅の女中に住みこんだのをみて、令嬢の手前奥さんの手前、支店長は夜もねむれなくなった。こわいその二人の外出中、彼はお春に追廻され、階段からおちてへたばったところを帰宅した彼女らに発見される。--大いに人生勉強の実をあげた令嬢は、やがて帰阪することになった。当日、先を争って荷物を運ぶ一等社員達は、令嬢とならんで立つスマートな婚約者の姿をみて、シュンとなった。